俳優水谷豊(69)が監督を務めた映画「太陽とボレロ」(6月3日公開)の東京プレミアが23日、都内で行われ、主演の檀れい(50)や石丸幹二(56)森マリア(22)町田啓太(31)らが出席した。

地方都市のアマチュア交響楽団を舞台にした作品で、檀演じる楽団主宰者を中心に、音楽を愛する「普通」の人々が織りなす人間模様を描いたエンターテインメント作。

制作の経緯について、水谷は「2018年、ぼくにとって3本目の作品をとなったときに、ふとクラシックの世界はどうだろうと、まさに舞い降りてきた感じでした。それで最初にイメージしたのは、世界的なオーケストラ。その演奏会で、コンサートホールで、演奏が始まって中盤にさしかかって、いくつも楽器にさまざまな仕掛けが施されていて、音楽が盛り上がったときにバタバタと人が倒れていく、と考えたときに、ちょっと待てよ、これは『相棒』じゃないかと思って」と自身が主演を務めるテレビ朝日系人気連続ドラマ「相棒」シリーズに絡めて笑いを誘った。

続けて「あ、そうだ、今回はユーモアを交えた作品を作りたいと思って、ならば経済的に逼迫(ひっぱく)している地方のアマチュア交響楽団の話はどうだろうと思って作ったのが今日皆さんにご覧いただく『太陽とボレロ』です」と説明した。

さらに、「いい映画って何だろうって思いますと、人それぞれと思います」とし、「いい映画を見た人は一日いい気分で過ごせますし、何十年もたってその映画を思い出して、その世界に浸って、また当時の自分の人生を振り返る。懐かしいなんてことができます。『太陽とボレロ』が、どなたかにとってそんないい映画になってくれたら、我々はこんなうれしいことはありません」と優しく呼びかけた。

水谷監督の映画は17年「TAP-THE LAST SHOW」、19年「轢き逃げ 最高の最悪な日」に続く第3弾となった。

出演者からその演出について絶賛の声が上がると、「そんなこと皆さん思っていらっしゃったんだ」といい「どこへ行きたいのか伝えなきゃいけない。イメージを伝えるだけでやってくださるのは皆さん。皆さんがやってくれるのを観て楽しんでいたという印象が強かったです」と謙遜した。