歌舞伎俳優中村芝翫(56)が26日、都内で「松竹歌舞伎舞踊公演」(6月30日~7月31日)の取材会を行い、長男橋之助(26)、次男福之助(24)、三男歌之助(20)とともに意気込みを語った。

20年の公演は、新型コロナ感染拡大で中止となっていた。2年ぶりの仕切り直しとなる今回は、橋之助と福之助がWキャストで演じる「操り三番叟(さんばそう)」、芝翫と歌之助の「連獅子」を披露する。

親子での巡業は16年の芝翫襲名以来とあって、4人とも喜びもひとしお。芝翫は「なかなか息子たちとも芝居をする機会がなかったので、親子そろって巡業できることを楽しみにしている。息子の成長を見ることで、襲名以来の自分の年月が思い座されると思う。熱い歌舞伎をご覧に入れたい」と語った。

橋之助は、中止となった20年公演を振り返り「家族そろって連獅子と義経千本桜の『四の切』をやらせていただく予定だった。僕自身、コロナ禍のいちばんの思い出は、『四の切』が中止になり、落ち込んだこと」。その上で「家族そろって公演に行けるのはうれしい。父の戦力になるということが僕のいちばんの目標だったので、弟と3人で戦力になれる第1歩として心して務めたい」と意気込みを語った。

福之助は「どれだけ福之助は成長しているんだろうと期待して見に来ていただけたら」。巡業初参加となる歌之助は「20年3月に高校を卒業して、やっと歌舞伎役者として踏み出していくという時にコロナ禍になり、悔しい思いがあった。その中での初めての巡業なので楽しみ。連獅子を父と2人でやるのも初めての挑戦。この2年、コロナ禍の中でできるだけ学んできたものをお見せできれば」と話した。