ミステリー劇「8人の女たち」が9月9~12日、大阪市北区のシアター・ドラマシティで上演される。出演する元星組トップ娘役の夢咲ねね(37)、元花組トップ娘役の花乃まりあ(29)が公演前に、オンラインで取材会に臨んだ。

宝塚歌劇団の元トップ、元娘役トップ8人が豪華共演する舞台だが、意外にも? 歌なしダンスなしのストレートプレーになる。

夢咲は「最初にお話をいただいた時は、共演の方が誰かも分からないままでした。まさか、こんなにもすごい先輩の方々とご一緒することになるなんて」と驚きを隠さない。

花乃も「私が宝塚のファンだった頃から、ずっとあこがれていた人たちと同じ舞台に出られるとは思いませんでした。これだけの皆さんとストレートプレーとは、楽しみでしかないです」と感慨無量といった様子で話す。

それもそのはず、共演者は湖月わたる、水夏希、珠城りょうに加え、蘭乃はな、真琴つばさ、久世星佳と、元トップや元トップ娘役が出演者に名を連ねる。まさに絢爛(けんらん)豪華。いずれも宝塚時代にファンを魅了したスターばかりだ。

夢咲が初めて宝塚に出あったのは、修学旅行で同級生とともに観劇した時。華やかなステージで夢の世界を見せてくれたのが、月組トップスターの真琴つばさだった。

「もう感動してしまって‥。この日がきっかけで『私も宝塚に入学する!』と心に誓ったんです」

こう、当時を振り返った。

一方の花乃も、先輩との顔合わせが待ち遠しげだ。

「私がガッツリお世話になったのは蘭乃はなさん。何も分からない私に、たくさんのことを教えてくださいました。退団した今でも諸先輩方とお会いすれば、自然と背筋がピンと伸びてしまいます」

夢咲と花乃は退団後、初共演でもある。夢咲が星組トップ娘役だった頃「すごくきれいな人がいると評判になっていた」と、早いうちから花乃が目立つ存在だったことを打ち明けた。

花乃は今から大阪公演を楽しみにしている。「できたら宝塚まで足を伸ばしたい。武庫川から大劇場を見るだけでも胸がいっぱいになりそうです」と笑顔を見せた。

舞台は1950年代のフランス。大邸宅で一家の主マルセルが殺され、ドラマが急展開する。クリスマスを祝うために集まった家族ら全員が容疑者に。疑心暗鬼、犯人捜しが進む中、8人の女の秘密とウソが次々と明かされて‥。

大阪公演に先立ち、8月27日~9月4日には東京・サンシャイン劇場で上演される。【三宅敏】