「マンガの神様」と呼ばれた手塚治虫さんの長女で手塚プロダクション取締役の手塚るみ子さんが6日、ツイッターを更新。4月に亡くなった漫画家の藤子不二雄A(ふじこ・ふじお・えー)さん(本名・安孫子素雄=あびこ・もとお)が立ち上げた藤子スタジオから返却された、父・治虫さんや我孫子さんらに関する貴重資料に「かけがえのない文化遺産だと心震えました」と思いをつづった。

るみ子さんは「先週、藤子スタジオの松野いづみさんが手塚プロに来社され、安孫子先生が昔々に手塚治虫から頂いた原稿や切り抜きをお返ししたい、というお申し出がありました」と書き出し、その資料の一部を写した画像を公開。「ご持参頂いたファイルに収められたそれらは『魔法屋敷(1948年)』の原稿はじめ様々な作品のカットで、貴重なうえその数の多さに驚きました」とした。

さらに我孫子さんや、藤子・F・不二雄こと故・藤本弘さんに宛てた父・治虫さん直筆の手紙も含まれていたといい、「若き頃の両先生の喜びと興奮、そして三者の親交が伺い知れるものでした。これらを半世紀以上も大切にされてきた安孫子先生のお気持ちを思うと、単に貴重な生原稿という以上に漫画家の遺伝子が刻まれたかけがえのない文化遺産だと心震えました」とつづった。

これらの資料について「本来ならば手塚が贈ったものなのでご返却の必要はありませんが、『手塚プロにあった方が多くの人の目に触れる機会もあるでしょう』という松野さんのご厚意から手塚プロで保管することに致しました。(なんて恐れ多い形見分けでしょう!!)いつの日か藤子ファンにも見てもらえる機会があればと思います」と説明。なお、「誤解があってはいけませんので記しますが、手塚プロが保管するのは手塚の原稿類だけです。直筆の手紙は藤子スタジオが保管いたします。(それこそプライベートなものですしね)」と補足した。