女優磯原杏華(25)が、19日公開の映画「超伝合体ゴッドヒコザ」のメインキャストに抜てきされた。

「いかレスラー」「ヅラ刑事」などで知られる“バカ映画の巨匠”河崎実監督(63)の最新作の“合体ラブコメ”。16年にSKE48を卒業して、女優の道をひたすら歩む磯原に、その思いを聞いてみた。【取材・構成=小谷野俊哉】

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磯原が出演する「超伝合体ゴッドヒコザ」は愛知・幸田町を舞台に、その領主であり、徳川家康の忠臣で“天下のご意見番”と呼ばれた大久保彦左衛門の子孫が、悪の宇宙怪人と戦う物語。江戸時代に大久保彦左衛門は邪悪宇宙人シャチホコーンと戦うために、正義の宇宙人ゴッドネス星人から与えられたからくり人形を使い戦った。そして400年後に、再び戦いの火ぶたが切ってオトされる。

「撮影は去年の11月だったんですけど、キャスティングされた時は驚きました。映画にメインキャストとして出るのが初めてだったし、やはり河崎監督は独特な映画をとられる方なので、その世界観になじめるのか、ちょっぴり不安がありましたが、明るくて楽しかった。監督の頭の中で、映画のビジョンが出来上がってるから撮影も速くて、そのテンポについていくのに必死でしたね」

撮影は愛知・幸田町でロケをして行われた。「三河物語」の著者として知られ、時代劇の「一心太助」などに登場する大久保彦左衛門は、幸田町にとって元領主のヒーローだ。

「幸田町の地元の方々が全面協力してくださった。皆さんが温かく迎え入れてくださって、食事とかも土地のおいしいものをいただけました。観光も楽しめたし、最高でした」

磯崎が演じる超宇宙科学研究所(UISAS)の新人研究員・音無優里亜の先輩の女性研究員・馬場貴穂を演じるのは、フジテレビ「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」の綾瀬はるかのそっくりさんで知られる物まねタレント沙羅(39)。

「カメラが回ってない時でも、ものまねして盛り上げてくださってました。河崎監督も結構その沙羅さんのものまねを気に入ってて『うちの綾瀬はるかです』って紹介したりとかして。そうやって振られたら、やっぱり芸人さんなんで、全部乗っかって、いろいろやってくださって、本当にムードメーカーっていう感じで盛り上げてくださいました」

大久保彦左衛門の子孫。大久保忠雄を演じるのは、ミュージカル「テニスの王子様」で知られる八神蓮(36)。

「王子様なんですが、本当に周りに気を配れるすごい真摯(しんし)な方でした。八神さんがすごいナチュラルなお芝居をされるので、それに引っ張っていただいた感じでしたね」

特撮「ウルトラギャラクシー大怪獣バトル」の主役、レイ役で知られる南翔太(40)は先輩研究員・太助を演じる。

「南さんは、河崎監督作品に出たことがあるので、河崎監督ならではのスピード感について教えていただいたりしました。年齢も?だったので、すごくお兄さん的な感じで引っ張っていただきました」

元々は女優を目指していた。地元・愛知で活動できるSKEのオーディションを受けて合格。09年から16年まで在籍した。

「卒業してからは、お芝居がやりたくて舞台に出ています。憧れているのは木村佳乃さんとか長澤まさみさん、江口のりこさん。お芝居の幅が広いのがすごい。私も、そうなりたいと思っています」

あと5日、8日で26歳になる。

「私を形容するのに、元SKEというフレーズが絶対に付くのは分かるんです。でも、俳優として思っていただけるように進むしかないって一番思っています。この作品はメインとして出させていただいて、皆さんの印象にも残ると思うんです。役柄的にも、最初と最後で結構変化のある役なので、この作品がいいきっかけになったらと思います。今回みたいな、感情をあらわにする役をどんどんやっていきたい。お色気シーンにも抵抗はないんですが、全然来ませんね(笑い)。40代までは女優に全力投球。結婚は、まだ全然考えられません」

走りだした女優の道が、真っすぐに続いている。

◆磯原杏華(いそはら・きょうか)1996年(平8)8月8日、愛知県生まれ。4歳から12歳までクラシックバレエを習った。09年SKE第2期オーディション合格。10年研究生から正規メンバー昇格。16年SKE卒業。17年フジテレビ「人は見た目が100パーセント」、映画「リンキング・ラブ」。19年WOWOW「アフロ田中」。20年映画「13月の女の子」。20年12月にYouTubeチャンネル「磯原杏華【キョン】」開設。趣味は読書、映画観賞。秘書検定準1級。167センチ。