お笑いコンビ、ティモンディの高岸宏行(29)が4日、7月に投手として加入した野球の独立リーグBC・栃木の公式戦に初参加した。初出場はならなかったが、ベンチから積極的に声を出すなどチームを盛り上げた。試合は栃木・小山運動公園野球場で茨城アストロプラネッツと対戦し、4-10で敗れた。

大学時代にけがで1度は断念したプロ野球選手への道。背番号16のユニホームに袖を通した高岸が約10年ぶりに公式戦のグラウンドに戻ってきた。この日は控え投手としてベンチ入り。2回に4点を失うなど苦しい展開の中でも、良いプレーには「ナイス-!」、守備を終えた味方には「OK!ヨッシャー!」と声を張り上げ、メジャーなどでも活躍したベテランの川崎宗則内野手らを迎え入れた。

2回表にベンチ裏へグローブを取りに行き、4回裏にはストレッチを始める場面もあった。しかし、5回までに8失点するなど大差のついた試合展開もあってか、最後までブルペンにも入ることなく試合は終了。復活登板はお預けとなった。

高岸は大学まで野球部に所属し、愛媛・済美高校時代には150キロ近い速球が武器の本格派投手としてプロのスカウトにも注目されていた。6月に戦力として見込んだ球団からトライアウト受験の要請を受け、見事合格。今季終了後までの契約で投手として加入していた。

7月25日にはチーム練習にも初参加。芸能活動との”二刀流”ということもあり、この日が2度目の合流だった。試合前練習では投球のほか、ノックなどもこなし、チームを盛り上げた。芸人としても母校・済美の校訓でもある「やればできる!」を代名詞に、周囲を激励する芸風でブレイク。テレビやラジオのレギュラーのほか、今年はNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも出演した。さらに多忙となるが、7月19日の入団会見では「練習も仕事ももちろん100%でやっていきたい。軸足は全てです!!」と意気込んでいた。

次は13日に栃木市総合運動公園で行われる神奈川フューチャードリームス戦に帯同予定。球団は記念グッズとして高岸の写真などがプリントされたTシャツやタオル、ミニのぼり、マスク、缶バッジを製作。この日から販売を開始し、球場で対応した関係者は「予想以上に売れています」と笑顔で語った。

チームメートも歓迎しており、試合前のインタビューに応じた石川彗亮外野手は高岸について「元気があるので、僕らも勇気づけられています」と好影響を口に。球団公式ツイッターのフォロワー数も高岸加入後に約4000人増加して2万人を突破。同インスタグラムも約2000人増加して1万人の大台に迫るなど、その存在が早くもチームに元気を与えている。【松尾幸之介】