3年ぶり3度目の来日を果たしたイタリアの3人組男性オペラユニット、イル・ヴォーロが、8日に東京・国際フォーラムで「イル・ヴォーロ ジャパンツアー 2022」東京公演を行う。10日には大阪、12日には初めて名古屋で公演を行う。

その歌声とルックスで、全世界を熱狂させるジャンルカ・ジノーブレ(27)、イニャツィオ・ボスケット(27)、ピエロ・バローネ(29)に現在の心境を聞いてみた。

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ピエロ 今回は、本当にこのコンサートが待ち遠しいっていう気持ちですね。京都と名古屋という、今まで行ったことのなかった街に行けるというのが大きい。コロナ禍で2年連続で延期ということになっていたんですが、日本のファンの皆さんが、自分たちのことを応援し続けてくださってるっていうことにすごく感謝しています

-コロナ禍の2年間は、どのようにして過ごしたのだろうか。

ジャンルカ 僕たちの活動は、コンサートで人前で歌うばかりじゃない。新しいプロジェクトとして、レコーディングをしたりとかがありました。だから、僕たちの音楽は止まっていたわけではありません

-今回は京都の清水寺で、無観客でライブを行った。その模様は9月18日に配信され、さらに来年は映画として公開される。

ピエロ 僕たちにとって、一生忘れられない思い出になります。外国人で、あそこで音楽をやるのが初めてと知りました

-日本には「清水の舞台から飛び降りる」という言葉がある。大きな決断をする様を意味する。

ピエロ 僕たちは絶対に飛び降りません(笑い)。でも何か新しいことがあったら、僕たちは絶対にひるまずにやります

-清水寺の開設は奈良時代の778年(宝亀9)。実に1244年もの長い歴史を誇る。

ピエロ 僕たちの音楽のジャンルと言いますか、イタリアの伝統的な、ベルカント唱法っていうのを使っています。やっぱり、そういうこともあって、清水寺の舞台に出してもらったんじゃないかと思っています

-日本人はイタリア人に親近感を持っている。

ジャンルカ 日本に初めて来た時から感じてることなんだけれども、ものすごくフィーリングが合う。日本の人たちと僕たちの間に壁はないんじゃないか、という風に感じました

-日本人は“イタ飯”と呼んで、イタリアの料理も大好きだ。

ピエロ 僕たちは、日本に来た時にイタリアンレストランを探すことは、1度もありません。必ず日本レストランに行って、和食を食べています

-日本の若者は、女の子をデートに誘う時は“イタ飯屋”に連れて行くことが多い。

ジャンルカ 反対ですね。イタリアでは、女の子連れてってあげるっていったら必ず、おすしを食べさせてあげるって言ってますよ。

-イタリアの国民的スポーツの「カルチョ」、サッカーも日本で人気だ。

ピエロ 僕らにとっては、カルチョは日常です。昨シーズンは僕がファンのACミランがセリエAで優勝しました

イニャツィオ 僕はユベントスのファンなんですけどね

-8日は、3年ぶりの日本でのコンサートになる。

イニャツィオ やっぱり、お客さまと一緒に自分たちの歌を歌うことを楽しみたいというふうに思っています。お客さまにも楽しんでいただけると思っています。この2年間、コロナの暗闇がいつ晴れるんだろうか、いつになったら日本公演が実現するんだろうかと思いながら、不安な時間を過ごしてきました。だけど、とにかく、日本に来られることになりました。それを一番うれしく思っています。【取材・構成=小谷野俊哉】(続く)

◆イル・ヴォーロ ジャンルカ・ジノーブレは1995年2月11日、イタリア・アブルッツォ生まれ。イニャツィオ・ボスケットは94年10月4日、イタリア・ボローニャ生まれ。ピエロ・バローネは93年6月24日、イタリア・シチリア生まれ。09年、イタリアのオーディション番組で知り合い、“新世代の「世界3大テノール」”を目指して結成。10年、世界デビュー。14年、ラテン・グラミー賞でベスト新人アーティスト賞とラテン・ポップ・アルバム賞。15年、サンレモ音楽祭優勝。サードアルバム「グランデ・アモーレ」リリース。16年、フィギュアスケート羽生結弦がエキシビションで「ノッテ・ステラータ」を使用。17年、初来日。19年、2度目の来日。