タレント小堺一機(66)が24日に初日を迎える、俳優でお笑いコンビあさりどの川本成(48)が主宰する劇団「時速246億」の舞台「バック・トゥ・ザ・ホーム・ファイナル」(東京・新宿「シアターサンモール」)に出演する。

16年初演で再演、続編、そして配信で上演された人気シリーズのファイナル。師匠・萩本欽一(81)の欽ちゃんファミリーの弟弟子の川本のラブコールに応えて、最後に花を添える。

最後を迎える人気シリーズに、川本は「最初が6年前。その2年後に再演と続編を同時公演しました。それから、コロナ禍もあってハーフを配信でやりました。レギュラーもみんなおじさんになったので、一応、一区切りかなと思っています」。

小堺には、自身の死んだはずの父親役をオファーした。「本当は2作目で出し切って終わりっていう感じだったんですけど、やっぱり3部作にしたい。ちょっとタイムスリップして、自分のおやじのクローンに会うみたいな。じゃあ、おやじを誰にお願いしようとかと、いろいろな案があったんですけど。思いつく中で、一番現実的じゃないけど一番すごいと思ったのが小堺さんでした。でもまあ、おそらく無理だろうということで、お願いしてみました」と振り返る。

小堺は「断る理由がないですよね。みんなと一緒にやるということもだけど、こういうところにこの年になって入って、もう1回もまれるのも、いい経験なんじゃないかなと思ってね。若返りますからね」と笑顔を見せた。

川本は「台本をあれこれ変えながら、毎日稽古をしていますけど『あれ、なんで小堺さんがいるんだろう』っていう感じですね。お願いしといてなんですが、不思議な気持ちが、まだあります」。小堺は「お芝居の中に入るっていうことより、セリフを覚えなきゃと大変ですね。どういうふうな、とらえ方でいいんだろうとか、そっちの方が先ですね」。

川本が、自身で劇団を立ち上げて15年。「お芝居をやりたいと思っていたら、日刊スポーツに『役者、歌手、お笑い、ダンサー幅広く募集』って『欽ちゃん劇団』のことが載っていたんです。それで、100人くらい受かって『お前、何やりたい』『ダンサーです』『お前、何やりたい』『役者です』。それで『はい、全員お笑いを覚えてもらいましょう』って(笑い)。それで大将(萩本)のところにいて、やっぱり笑いのすごさも他のものも、結局は全部一緒なんだって気がついたのが30代半ばぐらいでした」。

小堺は「やっぱり、ウケればいいってもんじゃないですよね。笑いってのは、質と品だからっていうのが、大将にはありました」とうなずいた。

数多くのコメディーの舞台で共演しているが、芝居での共演は初めてになる。川本は「小堺さんは、おしゃれなことをたくさん教えてくれた先輩。『芸人は女遊びをして』みたいなところがあるけど、小堺さんは破綻していない。ボードビリアンっていうか、ダンスも踊れるし、歌も歌って、すごい感銘を受けています。スマートで、かっこいいコメディアン像の先輩。後輩の演劇に出てくれるなんて、とてもうれしいし、大将の耳にも入ったみたいです」と笑顔。

小堺は「えっ、なんで言っちゃうの」と困惑の表情を見せた。

欽ちゃんのDNAを持った2人が、また新しい笑いを生んでくれるはずだ。

【小谷野俊哉】

◆小堺一機(こさかい・かずき)1956年(昭31)1月3日、千葉県生まれ。77年、TBS系「ぎんざNOW!」の素人コメディアン道場で優勝。専大卒業後、勝アカデミーを経て、80年浅井企画。82年テレビ朝日系「欽ちゃんのどこまでやるの!?」での関根勤とのコンビ「クロ子とグレ子」でブレーク。84年10月からフジテレビ系のトークバラエティー「ライオンのいただきます」の司会に抜てきされ、16年(平28)3月の「ライオンのごきげんよう」終了まで31年半務めた。現在、BSJapanext「アプリで生判定!地域創生プレゼンバトル」、J:COMチャンネル「ジモトに乾杯!居酒屋小堺クン」、JFN「おうちで~CINEMA~」など。バラエティー、ドラマ、舞台、ラジオなど幅広く活躍。165センチ。血液型A。

 

◆川本成(かわもと・なる)1974年(昭49)7月13日、鳥取県生まれ。91年(平3)4月、萩本欽一主宰「欽ちゃん劇団1期生」合格。94年に堀口文宏と「あさりど」結成。94年から3年間、9代目いいとも青年隊としてフジテレビ系「笑っていいとも」出演。07年から劇団「時速246」を主宰、10年に「時速246億」に改名。16年舞台「バック・トゥ・ザ・ホーム」主演。18年舞台「バック・トゥ・ザ・ホーム2018」「バック・トゥ・ザ・ホーム2」。20年配信で舞台「バック・トゥ・ザ・ホーム・ハーフ」。趣味は楽器いじり、古着収集、プロレス。168センチ、血液型O。