喜劇役者の伊東四朗(85)が、落語家とコラボレーションするトークライブ「ニン!ぎょう町 あたし寄席」(日本橋公会堂)の9月公演に向けて書面インタビューに応じた。落語のトップランナーを迎えて、寄席の席亭の設定でイベントが展開。落語家と高座セットを前にトークを繰り広げる。

子どもの頃から落語ファンで念願の噺(はなし)家とのコラボレーションを果たした伊東だが、9月のトークライブでは柳亭市馬(60)春風亭一之輔(44)桂宮治(45)と共演する。

伊東は7月のライブで得られた手応えについて「60余年、この世界にいて、落語家さんに話を聞く、インタビューをしたのは初めてです。(7月のトークライブでは)どうなることかと思いましたが、穴があきそうなところは、しっかり落語家さんが埋めてくれました」と振り返った。

7月公演では春風亭昇太(62)笑福亭鶴瓶(70)柳家三三(48)と共演した。「落語家さんの間合い、スピード、しぐさに触れ、今後の役者活動に参考になりました」と大きな収穫が得られたことを口にした。

その上で、9月1日から再び幕が開ける第2弾に向けて気持ちも高ぶる。「次回9月は、どちらかと言えば、若いゲスト。お客さんには、この若い人たちが、口演する落語という誇るべき伝統芸能を大笑いしながら、おなかいっぱいにしてほしいと思います。少しでもそのお手伝いが出来ればいいな」と語った。

「ゲストとしてお呼びする落語家さんは、古典と向き合い、とことん創意工夫された芸の持ち主ばかり。その芸に至る苦労噺や入門した師匠の噺を聞きたい。また唄が得意な市馬さんとは、私も好きな昭和歌謡の話で盛り上がりたい。一之輔さんとは、お互いの仕事の場のラジオの話。宮治さんは、前職のトップセールスマンのことや笑点の話などをやりとりしたい」とすでにインタビューの構想も練っている。

青春時代も落語とは縁が深かった。20歳の頃に働いていた早大生協に落研の部長も働いていたこともあり、落語はいつも伊東の身近な存在だった。夢だった落語家とのコラボレーションで、85歳の伊東はさらに俳優として、喜劇役者としての高みを目指す。「是非(ゼシ)! 見にいらしてください」と高らかに呼びかけた。

◆公演日程と出演者

▼9月1日(木)午後2時=柳亭市馬

▼同日午後6時半=春風亭一之輔

▼同2日(金)午後2時=桂宮治

公演などに関する問い合わせ先はチケットスペース電話03・3234・9999(オペレーター対応は平日午前10時~正午、午後1時~午後3時)。対応時間が変更になる場合あり。