放送倫理・番組向上機構(BPO)は9日、NHKがBS1で昨年12月に放送した「河瀬直美が見つめた東京五輪」に重大な放送倫理違反があったと判断したと発表した。NHKは東京五輪期間中、河瀬監督の教え子X氏の取材に密着。「デモは全部、上の人がやるから書いたやつを言った後に言うだけだから」などと語った男性に「五輪反対デモに参加しているという男性」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」と字幕をつけた。

ただ、男性は2時間のインタビューで五輪反対デモに関心がなく、行ったこともないと明言。一方、ディレクターは、男性が会話の中で五輪反対デモに行く予定はあると語ったとしながら、事実関係を確認しないまま参加したと放送。BPOは「事実でないことが捏造(ねつぞう)的に放送された」とした。重大な放送倫理違反は5件目となる。

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