木村文乃(34)が9日、主演映画「LOVE LIFE」(深田晃司監督)初日舞台あいさつで「海に帰りたい」と力を込めた。

「LOVE LIFE」は深田晃司監督(42)が、矢野顕子が1991年(平3)の米ニューヨーク移住後に発表した初アルバム「LOVE LIFE」に収められた同名楽曲をモチーフに、独自の解釈で「愛」と「人生」に向き合う夫婦の物語を、構想期間18年の時を経て完成させた映画だ。

同曲の歌詞「どんなに離れていても 愛することはできる」にちなみ、愛するものについて質問が飛んだ。木村は「2、3年…大分、アクティブにしていたんですけど海とダイビングは大事だと思っていて…海。海に入るので、あまりメークしない」と答えた。

映画は、イタリアで開催中の世界3大映画祭の1つ、ベネチア映画祭で最高賞金獅子賞を争う、コンペティション部門に出品されている。木村は、劇中で元夫を演じたろう者の俳優・手話表現モデルの砂田アトム(45)と深田監督とともに、同映画祭の公式上映に出席した。その際の、美しいドレス姿が話題を呼んだ。そのことを踏まえ、木村は「メークして衣装を着ると自分の心が追いつかなくて…海に帰りたい」と笑った。

「LOVE LIFE」は、深田監督が脚本も担当。妙子(木村)が暮らす部屋からは、集合住宅の中央にある広場が一望できる。向かいの棟には、再婚した夫・二郎の両親が住んでいる。小さな問題を抱えつつも、愛する夫と愛する息子・敬太とのかけがえのない幸せな日々。しかし、結婚して1年が経とうとするある日、夫婦を悲しい出来事が襲う。哀しみに打ち沈む妙子の前に一人の男が現れる。失踪した前の夫であり敬太の父親でもあるパク(砂田)だった。再会を機に、ろう者であるパクの身の周りの世話をするようになる妙子。一方、二郎は以前付き合っていた山崎と会っていた。悲しみの先で、妙子はどんな「愛」を選択するのか、どんな「人生」を選択するのか、という物語。

舞台あいさつには、妙子の夫二郎役の永山絢斗(33)二郎の元恋人・山崎役の山崎紘菜(28)も登壇した。