英国のウィリアム皇太子(40)が17日、父チャールズ国王と共に8日に死去したエリザベス女王のひつぎが安置されているウエストミンスター・ホールへと続く一般弔問の列に並ぶ市民の元を訪れて交流した際に、女王が生前飼っていた愛犬のコーギーの様子をたずねられ、元気であることを明かしたと米ニューヨーク・ポスト紙が報じた。

女王が亡くなった後、コーギー2匹は次男アンドルー王子と王子の前妻サラ・ファーガソンさんが引き取ることになったと伝えられていた。

皇太子は、女王が愛したコーギーの「ミュイック」と「サンディー」について聞かれ、「先日会いましたが、元気にしています。良い家で、ちゃんと世話されていますよ」と返答したという。2匹はもともと、アンドルー王子と娘たちから贈られたものだったことから、女王亡き後はアンドルー王子が面倒を見えるのではないかと言われていた。同紙によると、王子と前妻は今もウィンザー城近くの邸宅で同居しており、2匹の犬たちはすでに引っ越しを済ませ、新しい飼い主の元で暮らし始めているという。

女王は2匹の他にもダックスフントとコーギーをかけ合わせたドーギーの「キャンディー」とコッカ-・スパニエルの「リジー」も飼っていたが、他の2匹の行き先は分かっていない。

一方、英デイリー・メール紙は17日、「キャンディー」は今夏に18歳で亡くなっていたと報じた。2004年に女王の元にやってきたキャンディーは、女王が最期を迎えたスコットランドのバルモラル城に到着した直後の夏の初めに亡くなったと伝えている。これまで飼っていた愛犬の中で最も長生きだったキャンディーの死に大きなショックを受け、取り乱していたといい、失意のどん底だった女王はそれからわずか数週間後に後を追うように亡くなったことになる。女王は、キャンディーの遺骨をウィンザー城に運び、2020年に亡くなった同じくドーギーの「バルカン」と一緒に埋葬されるよう手配していたという。

大の動物好きで愛犬家として知られていた女王は、1933年に18歳の誕生日を記念して父ジョージ6世からコーギーの「スーザン」をプレゼントされて以来、在位70年間で30匹ほどのコーギーとドーギーと暮らしてきたことで知られる。しかし、ここ数年は自分が亡くなった後に若いコーギーを残したくないという思いから、繁殖をやめていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)