演歌歌手坂本冬美(55)が20日、東京・中央区の明治座で座長公演「坂本冬美特別公演」の公開初日を迎えた。

公演は2部構成。第1部の芝居「いくじなし」は江戸時代の長屋を舞台にした下町人情物語。石井ふく子さん(96)の演出で、坂本と中村雅俊(71)が夫婦役を演じる。

第2部の歌謡ショー「艶歌の桜道」では、坂本が「あばれ太鼓」「夜桜お七」「また君に恋してる」「ブッダのように私は死んだ」などの代表曲を歌唱。中村も「心の色」「恋人も濡れる街角」などのヒット曲を続け、2人で「黄昏のビギン」をデュエットした。

ステージ上のMCで、坂本は「普段は白塗りをし過ぎているのですが、石井先生から『長屋のおかみはそんな色じゃない』と言われて、れんが色のファンデーションをしています。冬美、年をとっていくのよと言われています」と言って笑わせた。

年齢ネタでは、役柄の「おはな」は25、26歳だと自身で想定。「遠めから見たら20いくつに見えます」などと話し、これに中村が同調すると「それは視力が衰えてます」などと続けて会場の笑いを誘った。

終演後の取材では、中村は初共演の坂本の印象を「すごくしっかりした人で完璧主義者。歌もお芝居も一緒で、つくづく『突き詰める』人。でもそれを(表に)出さない。すごいなと思いました」と称賛。これに坂本は「ほめすぎです」。 坂本は中村の印象について「イメージ通りのナチュラルな人。自然体だけど舞台のスイッチが入ったら、ビシビシと決めるところは決める。スイッチの入れ方が違う。プロフェッショナルだなと感じました」と明かした。

公演は10月18日まで。過去10年で女性による明治座座長公演は坂本の5回目が最多記録だ。

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