女優大竹しのぶ(65)が20日、大阪市内で主演舞台「女の一生」(京都・南座、10月27日~11月8日)の取材会に出席し、故杉村春子さんの代表作にして文学座の名作舞台へ臨む覚悟を語った。

同作は日本が戦火に見舞われた1905年(明38)から1945年(昭20)が舞台。大竹演じる戦災孤児の少女、布引けいが拾われた家で、長男の妻となって家業を守る40年間を描いた物語となっている。

昭和の大女優で、91歳で亡くなった杉村春子さんが生前、布引けいを947回にわたり演じた当たり役として知られる。

大竹は「勝つか負けるかだと負けるに決まっている。杉村さんのようにやろうとも思っていない。私は私なりにやっていくしかない」と自分なりに演じる決意を述べた。

明治から昭和、戦争が人々の生活に影響を与えた時代。その時代背景や場面も描写した作品となっており「いつどうなるか分からない恐怖の時代に日本も入ってきている。のほほんと、昔の話と見ている場合じゃないのかなとも思う。そういう所も含めて、私たちがきちんと発信したい」と思いを口にした。

また、大竹にとって南座は今回が初出演。

「京都に来て『あ、ここが南座か』といつも思いながら通っていた。立ててうれしい。京都の町で何をしようかなと考えています」

「女の一生」は東京公演(10月18~23日、新橋演舞場)を皮切りに全国3カ所で公演。南座と、福岡公演(11月18~30日、博多座)も予定されている。