米俳優ウィル・スミス(54)が、11月30日に米ロサンゼルスで開催された新作映画「自由への道」のプレミア上映会に出席し、3月に開催されたアカデミー賞授賞式でビンタ事件を起こして以降初となるレッドカーペット復帰を果たした。Apple TV+で9日から配信が始まる同作は、スミスにとっては今年のアカデミー賞で主演男優賞を獲得した「ドリームプラン」以来の主演作となる。

同授賞式でコメディアンのクリス・ロックを平手打ちして仕事から干されていたスミスは、家族総出のサポート体制を受け、妻で女優のジェイダ・ピンケット・スミス(51)、長男で俳優、歌手のジェイデン(24)、長女の女優で歌手のウィロウ(22)、さらに前妻との間の息子トレイ(30)も加わり、5人でレッドカーペットを歩いた。久々の表舞台登場に緊張した面持ちながらピンケット・スミスと腕を組んで笑顔で写真撮影に応じる場面もあり、完全復帰をアピールした。

ビンタ騒動を受けて、新作映画の撮影が次々と中止され、本作も一時は公開が白紙となっていたが、騒動から半年以上が経過したこともあり、年内の公開が決まった。スミスは先日出演したテレビ番組で、「恐ろしい夜だった。結局のところキレてしまった」などと事件について語っていた。

同作は、1800年代の米南部を舞台に奴隷から逃れた黒人の実話を基にした物語で、本来なら来年のアカデミー賞ノミネートが期待される作品だ。授賞式を含むアカデミー関連のイベントへの出席が今後10年間禁じられたスミスだが、ノミネート資格は剥奪されていないため、本作で再び主演男優賞候補となる可能性は残されている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)