女優高畑淳子(68)が7日、都内で行われた 令和4年度「ゆうもあ大賞」表彰式で、同賞を受賞した。その壇上で、出演中のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」(月~土曜午前8時)で演じた、主人公岩倉舞の祖母祥子のセリフを引き合いに「自分の言葉じゃない、脚本家がひねり出した言葉を、いけしゃあしゃあと言う職業」と言い、感極まった。

高畑は登壇すると「『ゆうもあ大賞を、お受けになりますか?』と、お話をいただいたのは数カ月前。『スピーチは大丈夫ですか?』と言われ、面白いことを言えと…私は面白いことが言えません。訳が分からないことを言って、何カ月も後悔したことが何度もあります」と振り返った。

その上で「お芝居していると、思いもかけないセリフと出会う。『舞いあがれ!』の、ばんば(祥子)の言葉も、まさにそう」と口にした。そして、体の弱い舞が長崎・五島列島で生活し、自宅のある大阪に戻る前夜に祥子が口にした

「舞、ばらもん凧(だこ)あげたときのこと覚えとっか? 舞もばらもん凧ごたあ、どがん向かい風にも負けんとたくましく生きるとぞ」を披露した。

高畑は、副賞に金の耳かきを授与されたことを踏まえ「私は、これ(セリフ)が言えたことが、すごくうれしい。この言葉が、いろいろな人の心に響き、金の耳かきに至ったんだなと」と感謝した。その上で「自分が考えたのではない、言葉を、いけしゃあしゃあと言う私が…。あと何年、この仕事を出来るか分からないけれど、金の耳かきで背中を押された気がします」と、涙声になって感激の言葉を口にした。

「ゆうもあ大賞」は著名人や芸能人らにより1954年に発足した、明るい社会作りを目指す団体「ゆうもあくらぶ」が主催。その年にユーモアで貢献し、世の中に明るい話題を提供した人に毎年贈呈されている。