歌手の愛内里菜さんが専属契約を結んだ事務所に無断で芸名を使い活動しているとして、事務所「ギザアーティスト」(大阪市西区)が愛内さんに使用差し止めを求めた訴訟の判決で、東京地裁(飛沢知行裁判長)は8日、請求を棄却した。芸名を使用できるとの判断。

飛沢裁判長は、愛内さんと事務所との契約は活動を停止した2010年12月31日に終了したと認めた。その上で芸名に関する契約条項のうち、契約終了後も無期限に使用許諾の権限を事務所に認めている部分について「社会的相当性を欠き、公序良俗に反するもので無効」と指摘した。

愛内さんは「胸を張って、愛内里菜として堂々と活動できることを大変うれしく思います」とのコメントを出した。ギザアーティストの代理人弁護士らは東京都内で記者会見し、控訴する意向を示した。

判決などによると、愛内さんは1999年に事務所側と契約を結び、04年にギザアーティストに移籍。契約には契約期間や終了した後、事務所の承諾なしに芸名を使うことを禁じる条項があった。10年に活動を休止し、別の芸名を使った後、昨年3月に再び愛内里菜として活動すると発表した。

愛内さんは男性プロデューサーからセクハラを受けたとして事務所に損害賠償を求める訴訟を起こし、今年10月の大阪地裁判決は被害の事実を認めず、請求を棄却した。愛内さん側が控訴している。

愛内さんはNHK紅白歌合戦に出場経験があり、テレビアニメ「名探偵コナン」の主題歌を歌うなど活躍した。(共同)