大阪の繁華街・ミナミの道頓堀川に絶滅危惧種に指定されているニホンウナギがいた!? 大阪府立環境農林水産総合研究所は10日、大阪市の道頓堀川で府のレッドリストで絶滅危惧2類に指定されている「ニホンウナギ」の生息を確認し、11匹の捕獲に成功したと発表した。

“捕獲大作戦”は阪神タイガース優勝時にファンがダイブすることで知られる「戎橋」の下流約500メートル地点で実施。昨年11月上旬、仕掛けておいたはえ縄などでウナギ11匹を捕獲した。計11匹の体長は30~60センチ。体長約60センチのウナギはまるまると太っていた。

かつては水質汚濁のひどさで知られた川だが、大阪市が下水道を整備するなど改善に取り組んできた。研究所の山本義彦主任研究員は「かつてはヘドロがたまり、酸欠状態だった道頓堀川にウナギの餌となるエビ、カニ、小魚などの生物が生息できるようになった。ウナギは水質改善の証しです」と喜んだ。ニホンウナギは日本や韓国、中国など東アジア一帯に生息するウナギの一種で、道頓堀川での学術調査による捕獲は記録上初めてという。

道頓堀川の“汚名返上”に一役買ったのはウナギだけではなかった。調査は、お笑いコンビよゐこ、関西ジャニーズJr.Aぇ!groupがさまざまな実験や調査に挑むMBSテレビ「関西ジャニ博」と共同で実施。昨年5月、環境DNA調査でニホンウナギのDNAを検出したことで、「道頓堀川にウナギはいる」と確信し、「ウナギ捕獲大作戦」のプロジェクトを立ち上げた。大阪府と大阪市に特別な許可を得て調査を継続してきた。

捕獲に成功したAぇ!groupリーダー・小島健は「道頓堀川でウナギとったどー! ウナギがいると聞いてロケしてきましたが、これまで実際に見たことがなかったので、いないのではと思っていました。ラストのもんどりをあげたとき、ウナギとわかった途端、カメラを忘れてただただみんなで興奮してしまいました」とコメントした。【松浦隆司】

◆捕獲の模様は15日午後3時からMBSテレビ「日曜!関西ジャニ博」(関西ローカル)として放送される。また捕獲された約60センチのウナギは10日から研究所生物多様性センター(大阪府寝屋川市)で開催中の企画展「身近にもいる絶滅危惧種」(4月7日まで)で水槽展示する。