5月に開催される英王室のチャールズ国王の戴冠式にヘンリー王子(38)とメーガン妃(41)夫妻を招待するかどうかを巡り、国王とウィリアム皇太子の間で意見に食い違いが出ていると英デイリー・メール紙などが報じた。国王はヘンリー王子夫妻の出席を望んでおり、英国国教会のトップであるカンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビー氏に仲裁を頼んだと伝えている。一方で、兄の皇太子は弟夫妻の出席に懸念を示しており、反対の立場だという。

ヘンリー王子は1月10日に発売した回顧録「スペア」で、皇太子から暴行を受けたと暴露するなど王室や家族を攻撃して物議を醸しているが、王室はこの件に関して沈黙を貫いている。王子はその後のインタビューで王室に対しメーガン妃への謝罪を要求するなど対立関係を深めている一方、「ボールは王室側にある」と戴冠式への出席には前向きな姿勢も見せている。

報道によると、国王はヘンリー王子夫妻が戴冠式に出席しなければ、出席した場合よりも混乱が生じると考えており、夫妻を説得するため譲歩する用意もあると関係者の話を伝えている。そんな国王に対し、夫妻は出席する条件として、自分たちを目立つ席に座らせることや称号を今後も保持することを非公式で保証させる可能性があると情報筋は明かしている。

しかし、皇太子はこれまでもネットフリックスのドキュメンタリーやテレビインタビューなどで、自身や家族を批判する暴露で注目を集めてきたヘンリー王子が、戴冠式を自分たちの宣伝に利用して注目を集めることを危惧していると伝えている。2人の訪問が事前の取り決め通り行動させるものでない限り、ロンドンの貧困地区を一緒に歩くなどしてメディアの脚光を浴びる可能性があると懸念しているという。

情報筋によると、ヘンリー王子夫妻が出席するかどうか、出席する場合はどのような条件下で行われるのかということが本質的な問題だと語っており、王子は現段階では何事にも同意せず最後の最後まで(決断を)長引かせるようアドバイスを受けていると伝えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)