歌手高橋樺子(はなこ、年齢非公表)が31日、都内で26日にリリースした新曲「さっちゃんの聴診器」の発表会見を開いた。

大阪市西成区のあいりん地区(通称釜ケ崎)で献身的な医療活動をして“西成のマザーテレサ”と呼ばれながら、2009年11月に34歳の若さで亡くなった医師矢島祥子さんへの追悼歌。

矢島さんの生涯を知った、「釜ケ崎人情」「花街の母」などの作詞家もず唱平氏(84)が作詞。祥子さんの実兄でもあるミュージシャンの矢島敏氏が作曲した。

高橋は「さっちゃんの-」、11年6月に発売した東日本大震災の被災者への応援歌「がんばれ援歌」など5曲を熱唱。三線(さんしん)の演奏も披露した。「『さっちゃんの-』は、若い方から高齢の方まで『口ずさみやすくていいね』と言ってくれる。<歌詞>もっと生きたかった という歌詞の思いが伝われば。いつも祥子先生がエールを送ってくれていると思って歌っています」と話した。

昨年、沖縄に移住して、もず氏が創設した「UTADAMAレーベル」に参加した。「デビューの頃に出合った人たちが、今も離れずに応援してくれている。この輪を大きくして行かなくては。“平和の歌姫”と言われるようになりたい。この歌を世界に響かせたい」と笑顔を見せた。

もず氏は「大和と沖縄のハイブリッドの曲を作ろうと思いました。『さっちゃんの-』の詞だけでは、主人公が誰なのかも、街がどこなのかも分からない。この歌が広まって、西成で活動した矢島祥子さんのことが皆さんに知っていただければ」。矢島敏氏は「祥子のために、もず先生が詞を書いてくれて、誰が作曲するのかと思っていたら、僕がやることになりました。プロの方の詞は違うなと思いました」と話した。