日本テレビ系演芸番組「笑点」(日曜午後5時30分)の新メンバーに春風亭一之輔(45)が就任した。5日放送の同番組内で発表された。

番組は司会の春風亭昇太が新メンバーの楽屋を訪れ、中をのぞきながら「おお~、よろしくね」と声をかける場面からスタート。テロップには「このあとすぐ。超人気の若手落語家の登場」などと記された。

最初の大喜利コーナーで、他のメンバーが登場したあとに、昇太に呼び込まれる形で一之輔が登場。客席からは大きな拍手と歓声が巻き起こった。少し笑みを浮かべながらお辞儀して6枚重ねられた座布団に座り「よろしくお願いします」とあいさつした。

番組では落語家の柳家小三治から「久々の本物」と称されたことや、小学生時代に児童1200人を前に落語を披露したエピソードなどが紹介された。番組には11年6月に放送された若手大喜利で初出演を果たしているほか、22年9月には故三遊亭円楽さんの代役としても出演していた。

これで番組メンバーは司会の昇太をはじめ、林家木久扇、三遊亭好楽、三遊亭小遊三、林家たい平、桂宮治、春風亭一之輔、座布団運びの山田隆夫の布陣となった。関係者によると、収録が行われたのは放送前日の4日。一之輔は番組内で今回の就任について「子どもにも黙っていた」と明かし「今日もお父さんは老人ホームで落語をやるよと、うそをついて来ましたけど、あながち間違いではなかったです」と周囲を見渡しながら話して笑わせた。

他のメンバーも新メンバーについて周囲から質問攻めにあっていたことを明かし、林家たい平は家族から毎日聞かれていたといい「『家族にも言えないの』とひどい目にあいました。ようやく解放されます」と話した。昨年新メンバーとなっていた一之輔と仲のいい宮治は「私の時、一之輔に『お前なんだろ』と永遠に言われました。ずっと違いますと言っていて、発表の時、『てめえだったじゃねえか。このうそつき豚野郎』と言われて。今回は(一之輔が)『絶対違う』って言ってました。そうだったじゃねえかこの野郎。このうそつきジャイアン! これからよろしくね」と笑わせていた。

笑点では約45年間に渡ってレギュラーメンバーを務めていた6代目三遊亭円楽さんが昨年9月30日に72歳で亡くなり、席が空いた状態が続いていた。同1月に円楽さんが脳梗塞で入院して番組出演を一時休止していた時は、同2月6日から9月25日まで代役が週替わりで出演したこともあり、一之輔もそのうちの1人として出たことがあった。昨年加わった桂宮治に続き、2年連続での新メンバー加入となる。

一之輔は2001年に春風亭一朝に入門すると、2012年には単独21人抜きで真打に昇進。年間約900席もの高座に上がり、ドラマ、ラジオなどのメディアにも出演。“最もチケットが取りにくい落語家”として知られており、ネット上でも新メンバーに一之輔を予想する声は多く挙がっていた。

 

 

◆春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)1978年(昭53)1月28日、千葉県野田市生まれ。日大芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門、前座名は朝左久。04年に二つ目に昇進し、一之輔に改名。12年真打ち昇進。NHK新人演芸大賞、文化庁芸術祭新人賞、国立演芸場花形演芸大賞など。