5日付の本紙に掲載されたTBS安住紳一郎アナウンサー(49)のインタビュー「日曜日のヒーロー」に入りきらなかったエピソードを紹介する。今回は、総合司会を務める「THE TIME,」(月~金曜午前5時20分)についてのパートを伝えたい。

オファーを受けたときの思いを聞くと、「比較的ずっと『情報番組の方に戻らないか』みたいな感じオファーは実はすごくよくあって、もうずっとあったんですけど、他の仕事も少し落ち着いた、あとコロナのことでロケもできなくなってきつつあるっていう状況で、思い切って仕事を整理して、朝の番組に自分の50代をっていう気持ちで来たんです」と局肝いりで始まった朝番組で、MCに就任した経緯を明かした。

「THE TIME,」のスタッフ陣について安住アナは「元々朝の番組『あさチャン!』から継続した、朝の番組やっている人が1/3、私たちみたいな『ぴったんこカン・カン』とか、私がやっていた前の番組から来たスタッフ1/3、新規で募集した1/3みたいな感じで集まってやってるみたいな感じですね」。

番組開始から1年と5カ月がたった。手応えについては「まだ結果は出てないんですけど、自分がやるべきことはスタッフにも伝え始めて、スタッフもそれに理解を少し示してくれて、ただやっぱり組織が大きいので、なかなか簡単には動かないので、ものすごく大きな乗り物をなんか運転している1人みたいな感じですね」。その乗り物を「タンカー」に例えた。「(自分は)船長ではないですね。船長はまた(別に)いるんですよ。立場的にそういう人もいたりとかするんで、その船長の耳元でささやくこびとみたいな感じで(笑い)」。

羅針盤を持っているのは安住アナなのか?

「羅針盤…そうですね、アナウンサーってなんとなくみんな船長とかパイロットみたいなイメージをするんですけど、実は会社の構造上はアナウンサーが先頭に立ってうまく進まないので、やっぱりプロデューサーとか、何か立場のある人たちがいて、その人たちの何かちょっと袖をもって引っ張るとか、あとは何かサイドミラーを調整するとか、『なんか見やすくなっている』とか、『いきなり見えた』とかそういう調整ですね。そういう微調整っていう感じですね。ただ微調整に関しては非常に自分のキャリア、これまでの仕事の手応えもあるので、そこは大丈夫ですって感じで任せてもらっていて。なかなか『エンジン作れ』っていうのはちょっと無理なんですけど、ルームミラーとサイドミラーの調整とか、ドアの開け閉め、めっちゃうまいみたいな。細かいところで修正していくという」と安住アナらしく例えて説明した。

「THE TIME,」では、毎月第4木曜に安住アナがスタジオを飛び出して、全国各地から中継を担当する「出張!安住が行く」も人気企画だ。安住アナが自由にロケを担当し、番組に躍動感が生まれる。「あれは日本テレビさんが(「ZIP!」で)水卜(麻美アナ)さんを急になんか地方に出すとかいう企画を聞きつけて、水卜さんが金沢に行く1週間前に急に名古屋に行かされました。うふふ。すぐ日本テレビでやってることをまねするから~」とおちゃめに振り返った。

毎回、安住アナの中継の様子が話題になる。「安住アナの魅力が発揮されているのでは?」と聞くと、「ちょっとね、なんか私の意地悪なところというか…」と笑いながら謙遜しつつ「やっぱりスタジオでやってると、さっきみたいにタンカーみたいな感じですけど、ロケ先になるとちょっと小型船艇になるので、ものすごいかじの切り方がバーンってなる。船が小さくなって小回りが利く。本当そうだよね。あれなんなんだろうね~」とうれしそうに不思議がった。どちらの役割についてもやりがいを感じ、心から楽しんでいるような話しぶりだった。【佐藤成】