Snow Man目黒蓮(26)が俳優としての注目度を増している。初単独主演映画「わたしの幸せな結婚」(塚原あゆ子監督)が3月17日から公開。フジテレビ系「silent」やNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」などに続けて出演し、話題を呼んでいる。個人的に特に注目したいのが、「食事シーン」の演技だ。

「わたしの幸せな結婚」は、顎木(あぎとぎ)あくみ氏の小説の映画化。名家に生まれ家族から虐げられてきた斎森美世(今田美桜)が、別の名家の当主で、冷酷無慈悲と悪評のたつ久堂清霞(目黒)への嫁入りを命じられる。2人の距離は少しずつ縮まっていくのだが、きっかけの1つが「食事」でもある。美世の作った朝食を口にする清霞の表情、しぐさからは、冷たい氷のような心が溶けたような印象を受けた。

「舞いあがれ!」で演じた「柏木学生」こと柏木弘明も、最初はプライドが高く冷たいキャラクターだった。福原遥(24)演じるヒロインの岩倉舞に対してもそっけない態度をとりなかなか心を開かない。だが航空学校の生徒たちで集まった際、舞の作った大阪仕込みのお好み焼きを食べると、ふと少年のような顔を見せる。結果的にはさまざまな出来事を経て舞と恋仲になるが、お好み焼きもポイントの1つだったのではないだろうか。

くしくも「食事シーン」をきっかけに心境や人との関係性などが変化するような役が続いているようにも見える。目黒に聞くと「確かに、食べてる時にちょっとそういう風になる(変化する)役、思い返してみれば結構ありますね」と笑っていた。

一般的にものを食べるシーンの撮影は、難易度が高いとも言われる。たとえば21年10月期のテレビ朝日系ドラマ「和田家の男たち」に主演した嵐の相葉雅紀(40)は、佐々木蔵之介(55)段田安則(66)と食卓を囲むシーンが多いことを受けて、「おふたりは、食べながら(演技)というのが弊害にならないんです。僕はしゃべりやすそうなのを選んじゃうんですけど、おふたりは納豆とか選ぶじゃないですか。めちゃくちゃすごい。尊敬します」と明かしていた。

目黒は「お芝居で食べる時は、遠慮せずに食べるっていうのは決めています」と明かした。「お芝居に集中しすぎると、どのタイミングで食べたらいいのか考えちゃうので。できるだけ日常と同じように、なるべくバクバク食べるようにしています。もちろん、その時の感情とか役のキャラクターを乗せた上で、ですけど」と説明した。

今年、目黒は「第46回日本アカデミー賞」で優秀助演男優賞と新人俳優賞にも輝いた。「まだ若いので、これからもご飯をもりもり食べて、いろんなことにチャレンジしたいです」と意気込む。スクリーンやテレビでは、特に「食事シーン」の表情やしぐさに注目してみると面白いかもしれない。【横山慧】