ジャーナリスト堀潤氏(45)が、キャスターを務めるTOKYO MXの報道・情報番組「堀潤モーニングFLAG」(月~金曜午前7時)が、4月3日からリニューアルされることを受けて、このほど取材に応じた。同局は15日、元毎日放送でフリーアナウンサーの豊崎由里絵(34)が、堀氏とともに新キャスターを務めると発表した。

堀氏は、放送開始から3年を迎える番組を「東京発世界の、世界発東京の、ニュースが見られる時間にする」と意気込んだ。一方で、NHKを2月いっぱいで退局し、同じ4月3日スタートの日本テレビ系新情報番組「DayDay.」(月~金曜午前9時)でMCを務める、NHK時代の先輩・武田真一アナ(55)に「負けません!」と、笑みを浮かべながらも対抗心をのぞかせた。

「堀潤モーニングFLAG」は「堀潤とZ世代が“いま”を語る」をキャッチフレーズに国政、都政、事件、事故などの最新ニュースを報道。加えて経済、テック、文化など、さまざまなテーマについて、堀氏がZ世代のコメンテーターが議論してきた。今回のリニューアルで、放送時間を1時間から1時間半に拡大した上で、新キャッチフレーズとして「New global&Discussion!」と銘打った。

その狙いについて、堀氏は「世界中で起きていることを、しっかりと伝えたい」とシンプルに口にした。その上で「コロナ禍で、我々はリモートいう術を、世界の隅々まで行き渡らせることが出来たので、どんな現場も当事者の声を伝えたい。時差は入り組んでいるけれど、東京の放送局だけど東京発世界の、世界発東京のニュースが見られる時間に、ちゃんとしたい」と具体的な方向性を示した。

21年4月に番組を始めたのは「日本が変化がない30年を過ごしてしまった根源は、新しい産業が出来ていないこと。Z世代が次のイノベーションを起こす様を大人たちに見てもらって、何が出来るかを考える時間にしたい」という思いからだった。ここまでの2年間で「第1ロケットは成功した」と考えており、今回の改編で「(番組発の)アイデアを実装したい」と、番組をより一歩、前に進めていく考えだ。

具体的には「若い子のアイデアを実行する中間層に、一緒に汗をかこう、知見と経験、判断力、財力を待っています。ぜひ投資してくださいと言いたい」と、中間層を巻き込んでいきたいと説明。「今までのニュースの悪いところは、問題的して去って行く。実証、実装までは責任を取らないから、好きなことだけ言っているよ、とテレビから離れていく」と持論を展開した。

では、どういう形で進めていくのか。堀氏は「これまでも政務官、大臣に来てもらって直接、政策提言して生まれたこともあった。今度は、実装するために何をするかの時間にしたい。マスメディアとして実装まで気合を入れて一緒にやりたい」と強調。「ひょっとしたら『モニフラ』発のベンチャー、政党だってあるかも知れない。商品だって…それを枯渇している番組の制作費に充てる稼ぎ方も、生まれれば面白い」と、30分、増やした枠で何をしたいか、青写真を示した。

その裏には、危機感がある。「コロナで、いくら日本だけが何かやっても収まらないし、世界で何かが起きていたら、必ず日本にも影響が出る。今は戦争、飢餓、貧困、災害が全部、足元の暮らしに影響を与えるじゃないですか? 何で、こんなに電気代が上がるの? 給料が上がらないの? というのを、ちゃんと伝えたい」と訴えた。

堀氏は取材の最後に「武田真一さんには、負けません! 4(東京の地上波のチャンネル=日本テレビ)に先輩が来るんですよ」と自ら、武田の名を口にした。13年4月1日付でNHKを退局して、もうすぐ10年という節目で、同じフリーの道を選んだ先輩と“激突”する。面識があるかと聞かれると「面識はあります。武田派と登坂派があった」と、18年1月にNHKを退局したフリーアナウンサー登坂淳一(51)と武田の、2つの派閥がNHK内にあったと説明。「(武田がメインキャスターを務めた)『NHKニュース7』は保守本流。僕は登坂派…非主流派です」とした上で「新しいことをやりたいと言ったら(武田から)『お前は分かってない』と怒られた。逆に今回、武田さんがいらっしゃるのは楽しみ」と不敵に笑った。【村上幸将】