脚本家三谷幸喜氏(61)が17日、都内で行われた「第74回日本放送協会放送文化賞」贈呈式に登壇した。

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」など、これまでの脚本家活動が「放送文化の発展に多大な貢献をした」と評価されたが、受賞スピーチでは、プロデューサーに「辞退」を相談していたという舞台裏を明かした。

大河ドラマについて「僕の役割は、1年間にわたる巨大なドラマを作るプロジェクトチームの歯車のひとつに過ぎません。すぐれたスタッフの方と優れた俳優さんが集まって、それをプロデューサーが束ねて引っ張ってくれる。僕はそれに乗っかっていただけです」とし、「僕が書く脚本は設計図です。それ以上でもなければそれ以下でもありません」。

「正直、こうやって僕個人が賞をいただくということに、うれしいんですけど、若干の違和感を覚えてしまいます」と語り、「ここだけの話ですけれども、プロデューサーに相談しました。できれば辞退させていただくわけにはいかないだろうかと聞いてみました。説得されて、すぐに翻しました」と笑わせた。

「これは僕個人がもらう賞ではなく、番組そのものがもらう賞だと思うようにしました。というわけで、締めの言葉ですが、あえてこんなふうにしたいと思います。大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にかかわったすべての皆さん、おめでとうございます」とスピーチしていた。

ほかに、料理研究家栗原はるみ氏(76)、声優津久井教生氏(61)、静岡大電子工学研究所特任教授寺西信一氏(69)、三味線演奏家本條秀太郎氏(77)、気象予報士吉竹顕彰氏(65)、俳優吉行和子(87)も登壇し、喜びを語った。