歌手でタレント中川翔子(年齢非公表)が19日、東京・中野セントラルパークカンファレンスで行われた「東京中野物語2022文学賞」授賞式に出席した。

中野在住で知られる中川は、同賞で最終選考委員を担当。「にゅうらいふ」で、佳作を受賞した大塚雅美さんのプレゼンターを務めた。

最終選考に残った大倉順憲さんの「往復書簡~ロックと納豆とバカ親子~」を推していたという中川は「すごくリアリティーに感動しました。住んだことがない人にもにおいが伝わってくるようなリアリティーのある描写。夢がかなうことがなかったっていう辛さは確かにあった。でもふるさとと中野の対比というものが、ここに住んでみたいな、ここに住んだらこんな温かい人たちになれるんだなって思いにさせていただいた」と感想を明かした。

中野の魅力について「中野のイメージは、レトロだったりサブカルチャーだったり、オタクブームが来るずっと前からそういう文化を大切にしているところ。でも最先端な未来があるところ、そして桜並木の美しさだったり、空気や夕暮れ、風の素晴らしさ、子どもたちもすくすく育ち、どんどんこういった新しい場所もできていて本当に時代の中に中野という存在は、唯一無二のすてきな町」と語った。

記念すべき第1回の最終選考委員を務めたが、「美しい中野、優しい中野、カッコイイ中野、レトロな中野、未来の中野、いろんな表現がこれから生まれると思うと、中野をモチーフにしているだけじゃなく、クリエイト魂の燃える町だと思うので、今後もたくさんの名作が生まれて、実写化が(最終選考委員の)篠原(哲雄)監督でされて、アニメにもなり、中野かっこいいじゃんってもっともっとなっていく、そんなスタートの場所になる気がしてなりません」と期待した。

同賞は、中野を基地として広く作品を募集し、文学、映像、演劇、アニメなどに発展していく題材を見いだす。22年4月30日~9月15日の応募期間に、青春小説から社会派小説、歴史小説など幅広いジャンルから217編の小説の応募があった。2次選考通過8編の中から、大賞1編、佳作2編、中野区賞1編、特別賞1編が選定された。