宝塚歌劇団宙組トップ真風涼帆は17日、兵庫・宝塚大劇場で、相手娘役潤花らとともに退団公演「カジノ・ロワイヤル~我が名はボンド~」千秋楽を迎え、本拠地に別れを告げた。

サヨナラショーを終えると、最後の大階段は正装はかま姿。「1人では到底たどり着けなかったこの場所に今、立てている」と、ファンや仲間、スタッフに感謝した。コロナ禍でパレードは取りやめも、閉幕後には記者会見に臨んだ。東京宝塚劇場は5月6日に開幕。同千秋楽の6月11日をもって、退団する。

  ◇  ◇  ◇

-最後の宝塚大劇場公演を終え、記者会見。真風は、柔らかな表情だった。

真風 今日は天気も良く気持ちのいい朝だった。すごく明るい気持ち、元気な気持ちで舞台に立てました。でも、宙組の皆が(出迎えで)待っていただいている状況は、熱くなる思いはあったんですけども、(幕が開けば)そこへは意識がいかず。日々の舞台と同じような感覚でした。サヨナラショー、ごあいさつと催しがありましたけど、どの瞬間も、お客さまからの温かい気持ちを受け、幕をおろすことができました。

-初舞台作であり、トップに就き主演もした「NEVER SAY GOODBYE」の「ONE HEART」で締めた。

真風 (演出の)小池(修一郎)先生と相談させていただいて、選曲した。

-最後の大階段、男役は黒えんびの選択もあるが、正装のはかまを選んだ。

真風 宙組の仲間の意見も聞き、ここは、初舞台を踏んだ地でもあるので、(同じ)緑のはかまにしようと思いました。

-今作ショーでは、舞台に手を添え感謝を表す振付もあったが、千秋楽ではその時間が長めに見えた。

真風 感謝の思いを胸に触れていました。(宝塚とは)自分の人生すべてをかけた大切な場所でした。

06年入団から17年。最後の宝塚大劇場は「宙3本締め」でフィニッシュ。同時退団する寿つかさ組長の音頭で、「そら!」と声を合わせ、笑顔でのサヨナラとなった。【村上久美子】