宮沢氷魚(28)が18日、東京・テアトル新宿で主演映画「はざまに生きる、春」(葛里華監督、5月26日公開)特別舞台あいさつに出席し、司会の笠井信輔(60)の鋭い突っ込みに一瞬慌てて、笑った。

トークの中で、笠井から「こだわっているものは?」と質問が出た。宮沢は「掃除が好きで毎朝、掃除機をかけている。1本でも髪の毛、ほこりが1つあると掃除機をかけたくなる。潔癖性ではないんですけど…」と“潔癖”と言っていいほどのこだわりを披露。「何かが吸い取られ、なくなっていくのが好き。掃除機で吸い取る時間が好き」と、掃除&吸引マニアであることを吐露した。さらに「延々と洗濯機が回るのを、体育座りして10~15分、見る。きれいになっているなと」と、ドラム式洗濯機をウオッチする“マニアック”な、意外な一面も明かした。毎朝、掃除するために、どんなに朝早い仕事があっても「家を出る2時間前には起きて」いるという。

宮沢は、笠井から「一緒に暮らす方がいると苦労しますよ」と突っ込まれると「そうなのかな? はははは」と笑った。さらに、最近、幸せな瞬間があったか? と質問を畳みかけられると「最近、幸せな瞬間、あったかな?」と首を傾げた。3月に一部週刊誌で、22年のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」で夫婦役を演じた、黒島結菜(25)と熱愛中だと報じられただけに、取材陣も宮沢のリアクションに目を光らせたが、笠井から、映画「エゴイスト」(松永大司監督)で3月にアジア全域版アカデミー賞「第16回アジア・フィルム・アワード」(AFA)最優秀助演男優賞を受賞したことだとフォローされると、宮沢は「舞台あいさつが幸せだった」と笑った。

「はざまに生きる、春」は、宮沢が所属するレプロエンタテインメントが主催した、映画を作りたい人を募集する映画製作者発掘プロジェクト「感動シネマアワード」のグランプリ作品の1つ。観客の心を揺さぶる・感動する企画を全国から募集し、同社出資のもと製作する映画コンペティション企画で、同社所属の新進気鋭の6俳優から1人を主演に選び、企画概要と脚本を応募する部門で、6つのグランプリ作品が選ばれた。主演の宮沢自身、「はざまに生きる、春」を選んだ審査員の1人で、劇中では発達障害の特性を持つ画家・屋内透を演じた。

宮沢は、審査も行ったことについて聞かれ「(審査も)新たな挑戦だと思って。たくさんの素晴らしい作品があって、3、4作品に絞って、脚本を読んで読んで(『はざまに生きる、春』が)すごく鮮明に残った。作品に対する愛情、キャラクターに対する愛情がすごくて、こういうものを書く人は信用できる、と思って選びました」と選考について語った。

身近に、発達障害の当事者がいたことも、大きかったという。「僕の身近な方で発達障害の人がいる。彼は19歳になったのかな? 彼の成長、生き方を見ていて、発達障害を理解できていると思ったけれど…まだまだ分からないことがあったなと。発達障害のことを知っていただく機会があったら、力を貸したいなと」と語った。

そして「役者をやっていて作品を選ぶこともない。仕上がった脚本、監督、スタッフも決まって最後に決まるのが役者。その大分前から関われたのは新鮮だし、自分が選んだのだから良い作品にしなければならない責任感…他の作品とは違う思い入れがあります」と作品への思いを語った。

29歳の誕生日を迎える、24日を1週間後に控え、花束も贈られた。宮沢は「作品を意識して、青いバラですね」と喜んでいた。