明大文学部の齋藤孝教授(62)が4日、TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食/一直線」(月~金曜午前5時)にゲスト出演した。

齋藤教授はこのほど、話し方の神髄に迫る「いつも『話が浅い』人、なぜか『話が深い』人」(詩想社新書)を出版。パーソナリティーの生島ヒロシ(72)から「浅い深いの違いは、何がポイントでしょうか?」と聞かれると、齋藤教授は「深いというのは本質をつかんでいるっていうことですよね。いいことを言っているようでも、話題が横滑りしちゃう人って、それはそれで楽しい人だと思うんですが。本質を捕まえてポンッていう人なんかは、ウッときますよね」と答えた。

生島が「例えばですけど、WBCの時の大谷選手のスピーチ、素晴らしいですね。あれが“深い”って感じですね」と、WBC決勝前に選手たちが円陣を組んだ際、エンゼルス大谷翔平選手(28)が話したスピーチを取り上げた。

齋藤教授は「何が深いというと“今日だけは憧れを捨てて”っていう、その“今日だけは”っていうところが深いですね。メジャーリーガーに憧れないっていうのもおかしいですからね。“今日だけは”って付けることでアメリカ人の心もわしづかみ。あのスピーチ、短いけれども、教科書に載せたいようなスピーチでしたね。本質をつかむのが早いんでしょうね。何が必要かが分かるからトレーニングメニューもムダがないのでしょうし、的確ですよね」と解説した。

14年に83歳で亡くなった俳優高倉健さんのパートナーで高倉プロモーション代表の小田貴月(おだ・たか)さんが「高倉健、最後の季節(とき)。」の中で、高倉さんの愛読書が齋藤教授の「声に出して読みたい論語」だったことを明かしている。

生島から聞かされた齋藤教授は、思いがけないサプライズに「えっ、本当に。いやぁ、初めて聞きました。驚いた、ウソでしょ。高倉健さんが読んでくださったんですか。感動しちゃうなぁ、うれしいなぁ」と興奮気味に話していた。