米ニューヨークで開催された慈善団体の授賞式に出席した後、パパラッチ集団に追いかけられてあわや大惨事のカーチェイスに巻き込まれたと主張して物議を醸したヘンリー王子(38)の妻メーガン妃(41)が、23日にビバリーヒルズで行われたグレイシー賞の授賞式を欠席した。

メーガン妃は、自身のポッドキャスト番組「アーキタイプス」で、アライアンス・フォー・ウィメン・イン・メディア・ファンデーションが「メディアやエンターテインメント分野で、女性によって女性のために女性について作られた模範的作品を表彰する」同賞のデジタル・メディア部門を受賞していた。

報道によると授賞式に出席を予定していた妃だが、1週間前のパパラッチによる危険な追跡を受けて欠席を決めたという。妃からは欠席について正式なコメントは出されていない。

夫妻の広報担当者は17日、前夜に夫妻の乗った車が2時間にわたって執拗(しつよう)な追跡を受け、他の車や歩行者、警察官を巻き込む事故寸前の事態が複数起きていたと声明を発表。しかし、「大都会のニューヨークではあり得ない」「誇張」と批判が殺到し、当事者からも「危険な運転をしていたのは夫妻の警護車の方だった」と反論が出ていた。

米Usウイークリー誌によると、妃はこうした世間の反応にショックを受けているという。関係者によると夫妻は「カーチェイスの説明は決して誇張ではない」と主張し、それを否定した人々がいることに傷つき、「失礼だ」と憤慨しているという。夫妻は公の場での自分たちが置かれた状況に恐怖を感じ、それに対して沈黙することを拒否していると関係者は話し、「自分たちが不当な扱いを受けていると感じた時に、声を上げ続ける決意を強めた」と述べている。

2020年に王室を離脱して米カリフォルニア州に移住した妃が始めた「アーキタイプス」は、女子テニス界のスター選手セリーナ・ウィリアムズや歌手マライア・キャリーら豪華ゲストを毎回招き、社会にはびこる否定的なステレオタイプや偏見について議論。昨年11月までに全12話を配信していた。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)