俳優仲代達矢(90)が29日、石川県七尾市の能登演劇堂で、演出を務める舞台「等伯-反骨の画聖-」(10月20日~11月5日、同劇堂)の市民キャストオーディションに参加した。

仲代が能登演劇堂公演のための審査員を務めるのは初めてという。

仲代は今月13日に一人芝居「バリモア」の全国公演を終えたばかりだが、早くも演出へ向け、精力的に活動している。オーディションには七尾市民のほか、関東圏からの参加者も。2分ほどの台本の一部を読む参加者をうれしそうな表情で見守った仲代は「皆さん、平然とやっていてすばらしかったです。私は70年間役者をやっていますが、90歳になっても初日は足がガタガタ震えます」と声をかけた。

仲代と能登は縁が深く、80年代から無名塾の合宿を行ってきたほか、95年に開場した能登演劇堂は仲代と妻が監修。ほか、地元の高校でのワークショップを開くなど、七尾市に演劇を根付かせた。

「等伯-」は、七尾市で生まれた絵師、長谷川等伯を主人公にした作品。