是枝裕和監督(60)が2日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた「怪物」初日舞台あいさつで、坂元裕二氏(56)が脚本賞を受賞したカンヌ映画祭で、北野武監督(76)とツーショット写真を撮ったことを「一番、感動した」と明かした。

「怪物」は最高賞パルムドールを争うコンペティション部門に出品され、5月17日(日本時間18日)に、北野監督は6年ぶりの新作「首」(11月23日公開)が「カンヌ・プレミア」部門に出品され、同23日(同24日)それぞれ公式上映された。

是枝監督は、カンヌでの思い出を聞かれ「最高の滞在。丸々(日程を通して)行けたのは初めて。街を歩くと声をかけられる。あそこは、こう見たが、これでいいのか? と。口コミで広がっているのを感じた」と笑みを浮かべた。

公式上映では、がんの闘病中に映画音楽を担当し、3月28日に亡くなった坂本龍一さんの楽曲ではなく、99年のカンヌ映画祭でコンペティション部門に出品された、北野監督の映画「菊次郎の夏」のテーマソングとして久石譲氏が作曲した「Summer」が流れるハプニングがあった。是枝監督は5月29日に東京・羽田空港に帰国した足で行った凱旋(がいせん)会見で「授賞式で、レッドカーペットを歩いていても『たけし』と声をかけられましたので、もしかすると、どこかで違って、いろいろなことが伝わったのでは? 良い曲ですけど、せめて坂本さんの曲にして欲しかった。(映画祭側に)言っておきます」と笑って明かしていた。

是枝監督は「首」の公式上映後、北野監督と対面したという。是枝監督は「僕、一番、感動したのは、たけしさん(との出会い)なものですから。(公式上映を)見させていただいた後、ご挨拶に行って」と語った。そして「ツーショット写真を撮っていただいたんですけど…立っている自分が、学生の時みたいな立ち方をしている。何か、出ちゃってるんですよね、そういうのが…不思議ですね」と笑った。「首」の出演者としてカンヌ映画祭に参加した、歌舞伎俳優の中村獅童(50)は「アフターパーティーで(両監督の)ツーショットを見て、すごいなと感動していました」と振り返った。