タレントの中山秀征(55)が4日、MCを務める日本テレビ系情報番組「シューイチ」(日曜午前7時30分)に出演し、81歳で死去した元タレント上岡龍太郎さんをしのんだ。

中山は「上岡さん、僕もとてもお世話になって、20代前半からお世話になりまして。もう引退して23年もたたれたんだなと、そういう思いですよね」とコメント。「僕はフジテレビの『上岡龍太郎にはダマされないぞ!』という番組でレギュラーでやらせていただいたんですけど、本当に時事もきれますし、厳しい難しい問題でも全部笑いに変えるでしょ。知性、知識、そして毒もあるわけですから。だからものを言える司会者。いわゆる話芸の達人。すべてが当てはまりますよね」と振り返った。

「痛快ですし、かっこいいんですよ。どういう表現が一番合うのかなと思うんですけど、『立てば剣豪、武蔵のごとく』ですよ。『座れば茶人、利休のごとく』のような。静と動を見事に使い分ける」と上岡さんを表現し、「今でも本当に思いますよね。例えばこの事件、話題になっているこのこと、上岡さんだったらどうきるんだろうって」と思いをはせた。

「芸は一流、人気は二流、ギャラは三流」という、司会を務めるテレビやラジオ番組で上岡さんが冒頭に語っていたキャッチフレーズについて「これはどういうことなのか、自分の中で考えましたけど、やはりこれが言える方は超一流ってことなんですね」と考えを明かした。

10年ほど前に上岡さんと大阪で食事をした際には「引退から10年くらいたっているのにもかかわらず、あの上岡節は健在で、朗々と我々にいろいろ伝授してくださるんですけど、『上岡さん、もう復活はないんですか』って聞いたら、『もうない。今のテレビは難しいね。僕はもう無理だよ』と」というやりとりがされたことを明かし、「その語り口調がね、無理じゃないんですよ。感心しちゃうくらい見事にスマートに切られてました」と振り返った。

中山は「私は上岡さんに言われたことで教訓になっている言葉があるんですけど」と切り出すと、「『人生は山登りだ。自分が苦しいな、辛いなと思っているときは、登っているとき。自分がすごいな、足が速いなと慢心しているときは下っているとき』っていうことを師匠から言われまして。それを今自分で教訓として、しっかりと守っていかないといけないなと自分の戒めであったりする」と話した。

最後に「本当にたくさんの言葉を残してくださり、皆さんの心に今も刻まれていると思います。謹んでご冥福をお祈り申し上げます」と悼んだ。

上岡さんは5月19日、大阪市内の病院で、肺がんと間質性肺炎のため81歳で亡くなった。今月2日、死去が発表された。