歌舞伎俳優尾上右近(31)が6日、都内で、自主公演「研の會」(8月2~3日、東京・浅草公会堂)の記者発表会を行った。

7回目の今回は、「夏祭浪花鑑」「京鹿子娘道成寺」の2演目。「夏祭-」では立役の団七九郎兵衛、女形のお辰という2役を演じる。「京鹿子-」は女形舞踊の最高峰と言われる演目。

右近は「初役の2題です。ウエート的にも、体力的にも、自分の自主公演でなければこんなに大変な思いはできない、というような充実した内容。自分で決めておいて途方に暮れるのが自主公演の醍醐味(だいごみ)」と話した。

団七は松本幸四郎に教わり、最終的には松本白鸚にも見てもらうとした。「京鹿子-」の白拍子花子は藤間勘十郎に教えを乞うという。

「夏祭-」では、坂東巳之助が徳兵衛、義平次の2役を演じる。翌々日からは歌舞伎座公演も控える中、引き受けてくれた巳之助について、右近は「目と目で思いが通じる。歌舞伎に対する密度を感じる。2役やることにご本人もおもしろがってくださった」と話した。

ほか、中村鴈治郎、中村種之助、中村米吉、中村莟玉らが出演。

特別ポスターは、対談をきっかけに知り合った美術家、デザイナー横尾忠則氏が手掛けた。2つの演目の役柄が鮮やかに描かれたポスターを見て、右近は「背中を押していただいた。感謝でいっぱいです」と喜んだ。横尾氏からは「『研の會』が続く限り、お手伝いをさせていただけたらうれしい」とのメッセージが届き、右近は「大変です! 毎年やらなきゃいけない」とうれしい悲鳴だった。