ドミニカ共和国出身の女優豊原江理佳(27)が7日、東京・新国立小劇場で、主演舞台「楽園」(8日公開~25日)初日前会見に出席した。

同作は日本のある島が舞台で、立場が全く違う女性7人が登場する。豊原は「都会から島に引っ越してきた若い子をやらせて頂きます。4月に稽古が始まって、毎日が濃くて。明日から楽しみ」と語った。

見どころについては「一番最後、みんなが集まって、胸の中にためていたものをぶちまけてしまう、皆さまの圧と迫力に圧倒される。そこは見てほしい」と話した。

役柄は「自分の中に正義感を持っている役。人それぞれ正義と価値観は違う。自分の正しさ、正論をかざしてしまい、我慢できずに言ってしまう役。気は強い。頭はいいけど、不器用な役」と分析した。

豊原は米ディズニー名作映画の実写版「リトル・マーメイド」(9日公開)で主人公の人魚アリエル役の吹き替え版声優を務める。楽園で演じるキュラクターとの違いを問われ「『リトル・マーメイド』は結構前に撮り終わっていた。(役柄は)ごっちゃにはなっていない。(楽園の若い子役は)人間らしい、きれいな部分だけじゃなくても、頑張って生きている。アリエルは信念をもって突き進むキャラクター、結構はギャップはあります」と語った。

共演者の土居志央梨からは「正直でまっすぐな方、どっちにも共通点ある。信念を持っている役。真っすぐな人です」と言われた。最後に豊原は「2カ月の稽古期間で話し合って、よりよい作品にしようと頑張りました。ニュートラルな気持ちで見てもらえたえら」と締めくくった。

会見には共演者の西尾まり、清水直子、深谷美歩、中原三千代、増子倭文江も出席。

「楽園」はシリーズ【未来につなぐもの】第3弾で、劇団「□字ック」(ろじっく)主宰の山田佳奈の新作。演出は眞鍋卓嗣が担当する。

日本のどこかの島が舞台。改革派と保守派がしのぎを削る村長選挙の真っただ中、年に1度の女性だけで行われる神事が実施されようとしていた。そこへ集った、年齢も立場もバラバラの女性7人。ワンシチュエーションで展開される、女性7名の真摯(しんし)で、時に滑稽な会話を通して、結婚、不妊、介護、パワハラ…女性たちが直面するさまざまな問題が浮かび上がる。伝統継承と変化に揺れる地方都市は、やがて彼女たちの姿に重なり、日本の「今」を感じることができるストーリーとなっている。