光石研(61)が10日、都内で、主演映画「逃げきれた夢」(二ノ宮隆太郎監督)公開記念舞台あいさつに出席した。二ノ宮監督にサプライズで手紙を読み上げ、感激させる一幕があった。

子供の頃から光石ファンだった二ノ宮監督があて書きを交えて作り上げた作品で、監督は光石との仕事に「特別な映画が作れたと思う」と話した。

イベントの後半になり、光石は進行係から促されると「あ~、例のやつですか?」とニヤリ。懐から封筒を取り出し「二ノ宮監督に手紙を書いてきました」と切り出した。

手紙では二ノ宮監督の愛情深い性格に触れ「ご両親が、キャスト、スタッフが、それから映画が、そんなあなたを愛しています。あなたのまじめで誠実な性格で、愚直に撮り続けてください」とエール。会場を温かな空気が包んだところで、「いい話ばかりだとなんなので、最後にパワハラを1つ。『また俺を使えよ!』」と締めて笑いを誘った。

二ノ宮監督は、敬愛する光石からの手紙に「こんなうれしいことはないです」とうるっときた様子。「ただの光石さんのファンから始まって、役者もするようになり共演も。今は同じ事務所に入らせていただいて、ストーカーみたいになっちゃって。今日を迎えられて幸せです」とうれしそうに語った。

光石演じる定時制高校の教頭が、突然訪れた人生のターニングポイントに向き合う日々を描く。同作は今年の第76回カンヌ国際映画祭で上映され、光石と監督もカンヌに渡った。

現地では「PERFECT DAYS」で主演男優賞を受賞した役所広司(67)や、北野武監督の「首」に出演する大森南朋(51)と対面。光石は大森と朝食をともにしたというが、二ノ宮監督は「自分も誘っていただいたのにベロベロで朝起きられず、チャンスを逃しました」と、前日に深酒しすぎたことを明かした。光石が「何回も何回も連絡したけど、既読が付かない」と苦笑すると、監督は「本当に後悔してます」とうなだれていた。