堺雅人(49)主演のTBS系連続ドラマ日曜劇場「VIVANT」(日曜午後9時)の最終話が17日に放送された。劇的な結末から1週間、「VIVANTロス」に陥っている視聴者もいると思う。そんな悩める人たちに、救済策として「VIVANTごっこ」を提案したいと思う。記者は今月初旬、取材活動で鳥取県へ出張した。本件の取材の隙間を縫って、鳥取砂丘へ行く機会があった。そこはまさに「VIVANT」に登場する架空の国「バルカ共和国」さながらの景色があった。
◇ ◇ ◇
午後4時ごろ、鳥取砂丘に到着した。その日は、カラッと晴れた日だった。鳥取現地取材のコーディーネーターの方が準備してくれたのは、大きい白い布と黒の細いバンド。用意するものはこの2つだけ。まずは白い布を頭にかぶり、黒のバンドで締める。あとは鳥取砂丘の雄大な大地に足を踏み入れるだけだ。
目前に広がっていたのはまさに、砂、砂、砂、そして“砂漠”。そこには「VIVANT」が2カ月半のロケを行ったという、モンゴルさながらの荒涼とした風景が広がっていた。鳥取砂丘は大きなすり鉢状になっており、くぼみにはオアシスを思わせる大きな水のたまり場があった。すり鉢を乗り越えた先には、日本海が無限に広がっている。淡い水色の空と時折舞う砂の風、そして雄大に広がる砂の山が「バルカ共和国」を想起させた。
砂嵐の中、ポツンと砂の山を登っていると、「俺は堺雅人か?」と勘違いしても許されるぐらいの壮大な景色に、思わず同行者に写真撮影をお願いしてしまった。作中同様、鳥取砂丘にはラクダもいて、有料で乗ることもできる。まさに「バルカ共和国」の疑似体験だった。
記者だけが「VIVANTごっこ」で盛り上がっている訳ではない。お膝元の平井伸治知事のお墨付きだ。平井知事は8月末に都内で行われた鳥取県イベントで「VIVANTごっこ」について言及。「VIVANTは鳥取砂丘でロケしたって狩野英孝さんが言っていたんですけど。鳥取以外どこがあるんですか? あの砂見たことあるし、ラクダもいたでしょ!」と笑わせた。MCから「モンゴルで行われたはずですけど…」とツッコまれるも「モンゴルにもそれなりに砂漠があると思いますけど、『VIVANT』って島根県でロケしているんでしょ? 鳥取でしないわけないでしょ。『VIVANT』面白いですよね~」と冗談も交えながら、会場を盛り上げたという。
ネックは、行く場所から変動するが、鳥取砂丘までの交通費と当日の天気か。「VIVANTロス」を埋めるにはもってこいの「VIVANTごっこ」、ぜひお試しあれ。【高橋洋平】