公開中の映画「グランツーリスモ」(ニール・ブロムカンプ監督)に出演中の俳優平岳大(49)が、このほど取材に応じた。車の運転を体感できるリアルドライビングシミュレーター「グランツーリスモ」のトッププレーヤーを、本物のカーレーサーとして育成する実話を映像化。平はグランツーリスモを開発したクリエーター山内一典氏を演じている。

平は「せりふが1行しか書いてないところがあって、どうやってつなげるのかと思っていたら、監督から『ここはアドリブで』と指示がありました。台本に書かれたものだけじゃなく、物語の世界観を理解することが前提。せりふを覚えているかだけじゃなく、どれだけ自分の身になっているかを試されている感じでした。“演じる”を吹っ飛ばして“素で”行かなくちゃならない。こういうことが演じることなんだと勉強になりました」と振り返った。

父は2016年(平28)年に82歳で亡くなった俳優の平幹二朗さん。母は女優佐久間良子(84)。2002年(平14)に舞台「鹿鳴館」で俳優デビュー。20年(令2)に海外へと活躍の場を広げるためにハワイへ移住した。

「2017年に米映画『Lost Girls and Love Hotels』のオーディションを受けたんですが、それがすごく楽しかったんです。初めて演技が面白くて『これを俺、やりたかったんだな』と思ったのがきっかけです」。20年にNetflixで配信された「GIRI/HAJI」で英国アカデミー賞にノミネートされた。「海外で10作品やっていますけど、監督やプロデューサーは『GIRI/HAJI』を見てオファーしてくれていますね」と話した。

アップルTVで11月17日に配信開始の「モナーク:レガシー・オブ・モンスター」、そして来年1月には「将軍 SHOGUN」の放送が始まる。「コロナ禍やストライキがあったりしたけど、昨年はハワイには2カ月くらいしかいませんでした。僕は家を留守にすることが多いけど、ファミリーにとってはハワイが最高だと思います。ハワイにいる時は、子供を幼稚園受験の塾に送り迎えして、帰ってきて遊んでいます。受験科目に外国語として英語があるから、家での会話は英語です」。

日本でのマネジメントはフリーアナウンサー生島ヒロシ(72)が会長を務める生島企画室が担当。生島の次男で俳優、プロデュサーとして活動する生島翔(38)と、日本で「coach hira(コーチヒラ)」を立ち上げた。平は「英語の問題は一生ついてきます。僕は“英語のできる日本人”なら大丈夫。ネーティブの日系アメリカ人の役だと難しい。どこから来たか分からないけど、そこが日本なのかというところまでは行きたいと思っています。日課として、自分の音読を聞いてチェックをしています。世界を目指す後輩たちに、ハワイからオンラインや日本に来た時にアドバイス、手助けをしてあげられれば」。

翔は「平さんに英語台本のシーンの解説をしてもらったりします。英語がしゃべれるのと、英語でお芝居ができるのは違う。平さんが教えるというよりは、共有、シェアできる場にしたい。日本からハリウッドに行って“ゼロイチ”からここまで来た、平さんの経験を広げていくようなことを少しずつやって行けたら」と話している。