ジャニーズ事務所が2日、創業者ジャニー喜多川氏(19年死去)の性加害問題をめぐり、都内で9月7日に続き、2度目の会見を開いた。新エージェント会社の東山紀之社長(56)は、ジャニーズ事務所の廃業を宣言した上で「触れてはならないと感じた」副社長に就任する井ノ原快彦(47)は「えたいの知れない恐怖感」と、ジャニー氏の絶対的な支配下に置かれていた内情を吐露した。
東山社長は「私も合宿所にいましたが、一タレントとして、触れてはならないと感じた。力が及ばない年齢でもあった」とジャニー氏に疑念を持ってはいても、踏み込めなかったと認めた。そして「見て見ぬふりをしたと言われれば、それまで。今、できることをしなければいけないと思います。心に負った傷は癒やすことは出来ないと思う。補償だけで済む問題ではない。なので、名前を付いたものは全て捨て去る。出来ることは癒やしていくことなのかなと感じています」と、ジャニーズ事務所廃業に踏み切った思いを語った。
井ノ原も「(ジャニー氏の)えたいの知れない恐怖感を知っている。東山さんも知っていると思う」と続いた。「このままだと、おかしくなると知っている。今まで声を上げられなかった、そのくらいのものだったと認識している。1人が勇気を出してくれたおかげで、次々と(被害者が)告白できた。無駄にしてはいけない」と廃業した先につないでいく意向を示した。
一方で「そういう支配の中で、被害を受けたから活躍して生き残ってきたと、僕は思えない」と現在、活躍しているジャニーズ事務所所属タレントが、性被害と引き換えに今のポジションを勝ち取ったとは思って欲しくないと強調。「ともに死ぬ気で頑張ってきたし、やっぱりすごいヤツは本当にすごい。だから芸能界で生き残っている…実力を認められている」と続けた。
東山社長も「(所属してきたタレントの)たくさんの汗と涙と血を見てきた。信じるのは大事」と訴えた。