光陰矢のごとし。時のたつのは早いもので、2025年もあとわずか。この年末、おじさん記者はライブ取材が多かったのだが、中でも印象的だった2つのライブで感じたことを紹介したい。
1つは矢沢永吉(76)。神奈川・ぴあアリーナMMで開催されたソロデビュー50周年ツアーファイナルだが、実は初矢沢だった。
まず驚いたのが、ファンの幅広さ。文字通り老若男女だった。そして皆、行儀がいい。もうかなり昔の話だが、矢沢のライブではケンカがつきものだった時代があった。いまだにそのイメージが抜けず、会場に足を運べずにいる方もいるかもしれない。もしそんな方がいれば、安心して会場に来てほしい。少なくとも今のファンは、矢沢の音楽を楽しむために会場に足を運んでいる。それを実感できた。
ライブには禁止事項がある。「永ちゃんコール」「一緒に歌う」「ヤジ」「飲酒」などだ。ファンはこれをしっかり守っている。開演30分前に会場に着くと、永ちゃんコールにあふれていた。だが、開演と同時にコールは収まり、永ちゃんが奏でるロックを満喫していたのだ。
そして、初めて見た矢沢はまさに“神”だった。それを実感したのがライブ最後、白いスーツを身にまとい、せり出しで「真実」を歌う姿を見たときだった。まるで、美しい宗教画でも見ているような不思議な感覚にとらわれた。
そのライブでは、ファンから「紅白出て!」の声もあった。おじさん記者も「矢沢、紅白出るから、よろしく」を期待していたが、この日の発表はなかった。だがその数日後、NHK紅白歌合戦出場が発表された。しかも、披露曲は「真実」。紅白の楽しみができた。
そしてもう1つはFANTASTICS。静岡・エコパアリーナでのツアーファイナルを取材したが、こちらも初体験。この日、26年のアリーナツアーを発表したのだが、そのタイトル“SUNFLOWER”に込めたメンバーの思いを知り、その“絆”に感動した。
同グループは9人で活動をスタート。だが18年、中尾翔太さんが志半ばで旅立った。その中尾さんのモチーフが“SUNFLOWER”だが、それをツアータイトルに採用。そこには“9人でFANTSTICS”という思いが込められている。ライブ前に取材に応じた世界(34)八木勇征(27)中島颯太(26)の3人は、それを強調した。
そして、ライブ最後。八木の「皆さんの希望になるように、翔太と9人で進んでいきます」に、思わず目頭が熱くなった。年々、こういう話に弱くなっているような気がする。【川田和博】



