互いの著書などで「幸せ論争」を戦わせている、精神科医の香山リカ氏(49)と経済評論家の勝間和代氏(41)が2日、都内で対談本「勝間さん、努力で幸せになれますか」の刊行記念討論会を行った。同書の「延長戦」として行われた討論会では「努力というか、時間の工夫次第でいろいろできる」と主張する勝間氏と、「私は頑張るとか、努力が嫌い」と言い切る香山氏が1時間半語り合った。

 「リアルガチンコ対談」と銘打たれた通り、勝間氏は香山氏対策のため?

 メガネ姿で登場。「努力して失敗したときに、どうしてできないと自己嫌悪に陥る人が心配」と言う香山氏に対し、「確立の問題。打率3割でいいのでは?

 私は(失敗が)結構楽しい」と真っ向から言い返した。ただ「努力したくてもできない状況の人や、努力しても変な結果しか出ない人に、努力が足りないとは言いたくない」と言う香山氏に、勝間氏も「つらい努力はしない方がいいと定義したい」と同調するなど歩み寄りも見せた。

 そんな2人に対し、観客からは「ぶっちゃけ、お互い勝ち組で同類なんじゃないか?

 」という、厳しい質問も飛んだ。勝間氏は「勝ち組の定義によると思う。私は人と比べるのは好きじゃない。まさしく、いろいろな人がいてちょうどいい」と答えた。一方香山氏は「私は大きく言えば勝間さんと同世代だけど、こんなに私と違うのかと驚いた。私は運が良くて勝ち組にいるように見えるかもしれないけど、明日にも転落…という感覚はある。勝間さんのような人と話すと緊張する」と話した。

 対談後の囲み取材で、香山氏は「本に関して事務連絡はする」と、勝間氏とプライベートで交流がないことを強調した。一方勝間氏も「1度、お誘いしたら都合が合わないと言われて」と明かした。香山氏は「神戸の大学の授業があって…でも、これ幸いと。私にとってアウェーだから」と言い、苦笑いしていた。

 [2010年3月2日23時12分]ソーシャルブックマーク