中国・上海万博の事務局は5日、会場で13日に予定していた人気グループSMAPのイベントを中止すると公式ウェブサイトで発表した。事務局は中止の理由について「安全と秩序を考慮した」と説明。大勢のファンが殺到し、会場が混乱することを懸念して中止を決定した。

 万博会場では韓国のアイドルの公演で負傷者が出るなど秩序の維持が課題となっており、事務局は会場の盛り上がりよりも安全確保を優先させた形。しかし、開催を約1週間後に控えた大イベントを中止するという場当たり的な運営の責任が問われそうだ。

 イベントはSMAPのメンバー5人全員が1988年の結成以来初めて行う海外公演となるはずだった。開催は万博事務局が2008年、SMAPが所属するジャニーズ事務所に持ち掛け、今年4月に双方が合意。1万8000人が収容できる万博会場内のホールで開催予定だった。

 事務局は4月下旬、イベント開催について記者会見を開くなど大々的にアピール。ファンの間では期待が高まっていただけに、事務局に批判が集まるのは必至だ。

 万博のイベントをめぐっては、5月30日に開かれた韓国のアイドルの公演で、先着順の入場券に数千人のファンが殺到し、警官隊が出動、負傷者が出る騒ぎとなった。SMAPは中国でも人気が高く、同様の混乱が予想されていた。

 事務局は「慎重な検討を重ねた結果、決定した。ファンの理解をお願いしたい」としている。

 [2010年6月5日21時24分]ソーシャルブックマーク