保護責任者遺棄致死罪など4つの罪に問われ、裁判員裁判の東京地裁判決が「致死」部分を認めず懲役2年6月とした元俳優押尾学被告(32)について、東京高裁(岡田雄一裁判長)は4日、被告側の保釈請求を却下した地裁決定を取り消し、保釈を認めた。保釈保証金は1000万円。

 遺棄致死と合成麻薬MDMA譲渡の2つの罪について無罪を主張していた被告側は「事実認定に納得できない」と9月17日の判決当日に控訴。裁判官のみの2審東京高裁で争うことになる。検察側は控訴を見送っており、1審判決よりも重い刑にはならない。

 押尾被告は1月に保護責任者遺棄致死などの罪で追起訴された後、地裁に9回にわたって保釈を請求。いずれも却下され、9月29日付の東京高裁への抗告で初めて認められた。

 判決によると、被告は東京・六本木ヒルズのマンションで昨年8月2日午後、飲食店従業員田中香織さん(当時30)にMDMAを譲渡。一緒にのんだ田中さんの容体が急変し、午後6時半ごろには意識障害の状態になったが、救急車を呼ぶなど救命措置を取らずに放置し、必要な保護をしなかった。

 [2010年10月4日20時5分]ソーシャルブックマーク