アンジャッシュやアンタッチャブルなどお笑いブームを担う芸人を多く抱える芸能プロダクション、プロダクション人力舎(東京都中野区)が東京国税局の税務調査を受け、2009年9月期までの4年間に約2億円の所得隠しを指摘されていたことが22日、分かった。重加算税を含めた追徴税額は約9000万円に上るとみられる。

 同社は取材に対し「修正申告も出し、一部納付を済ませた。詳細については業務に支障が出るので差し控えたい」と話している。

 同社関係者によると、人力舎は所属タレントへの報酬を実際より水増しして支払ったことにして経費を過大計上する手口などで所得を圧縮していたという。隠した所得は預金されていたという。

 東京国税局は今年3月、同社に強制調査(査察)に入ったが、6月に同社の玉川善治前社長が63歳で病死したため、脱税容疑での刑事告発を見送り、通常の税務調査に切り替えた。

 人力舎は玉川前社長が1977年に設立。ほかにも北陽、オアシズ、おぎやはぎ、ドランクドラゴンなどのお笑い芸人が所属している。

 芸能界をめぐっては、ことし3月に人気グループ「EXILE」が所属する芸能プロダクションが所得隠しを指摘されたほか、タレントの小倉優子らが所属していた芸能プロダクションも2009年1月に法人税法違反容疑で告発されている。

 [2010年11月22日14時0分]ソーシャルブックマーク