人気タレント島田紳助(55)が23日、芸能界を引退することを発表した。この日、都内の吉本興業東京本部で記者会見して明らかにした。暴力団関係者との親密な関係を示すメールの存在が明らかになり、島田自身が引退を決断した。島田はテレビの人気レギュラー番組を6本も持っており、テレビ各局は対応に追われることになる。

 島田と所属先の「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」の水谷暢宏社長らが23日夜、東京都内で記者会見し、島田と暴力団関係者との親密な関係が明らかになったため、島田が同日をもって芸能活動を引退すると発表した。

 会見によると、島田と数十年にわたり交流のある友人が暴力団関係者となったが、電話や電子メールで連絡を取り続けていたほか、島田が経営する飲食店に来店するなどしていた。法律に触れる行為はなく、経済的な利害関係もないが、島田が社会的責任をとって引退を申し出た。

 島田は同日夜の記者会見で「悪いことをしているという意識はなかった。僕の中ではセーフでしたが、(指摘を受け)アウトだと一昨日、知りました」と涙ながらに話した。

 同社は8月中旬、島田が2005年から07年にかけ、暴力団関係者と親密な関係をうかがわせるやりとりをしていたとの情報を入手。島田本人に確認したところ、事実関係を認めた。

 よしもとクリエイティブ・エージェンシーは「このような行為は、社会的な影響力の高いテレビなどのメディアに出演しているタレントとしては、その理由を問わず、許されない」と説明。水谷社長は「ファンのみなさま、関係各位の信頼を裏切り、多大なる心配とご迷惑をかけたことを深くおわびします」と謝罪した。

 島田が交友関係があると明らかにした人物は、関係者によると、元プロボクシング世界王者渡辺二郎被告(恐喝未遂罪で実刑判決を受け上告中)とみられる。

 04年には、吉本興業の女性社員を殴ってけがをさせたとして略式起訴され、罰金30万円の略式命令を受け、芸能活動を一時自粛した。