9月29日に死去した作家の山崎豊子さんが、8月に始めた週刊新潮での連載小説「約束の海」の原稿を、既に20回分書き上げていたことが30日、新潮社広報宣伝部への取材で分かった。同広報宣伝部は山崎さんの死因などについて、「心不全で29日未明に入院先の病院で亡くなった」と明らかにした。

 「約束の海」は旧海軍士官の父と海上自衛隊員の息子を主人公に、戦争と平和を問う大河小説。現在、第6回まで掲載されており、同広報宣伝部は「これからも粛々と掲載していく」と話した。

 一方、山崎さんが設立した「山崎豊子文化財団」の担当者は、死因などについて「故人の遺志で、静かに密葬をした上で、落ち着いた段階であらためて発表する」としている。