28日に93歳で亡くなった元巨人監督の川上哲治氏は国民的アニメ「巨人の星」にキーマンとして登場した。

 当時スポーツ界では異例の自伝映画も製作され、本人役で出演した。

 川上氏は、68年から放送された人気アニメ「巨人の星」に登場した。主人公星飛雄馬の父星一徹とは戦前のチームメートで同い年。長嶋茂雄さんの入団会見で、長嶋さんに「魔送球」を投げつけた飛雄馬を追いかけたり、飛雄馬が長屋の壁の穴から投げ出たボールを弾丸ライナーで部屋の中へ打ち返す名場面があった。

 飛雄馬が巨人にテスト入団した後、永久欠番だった背番号「16」を飛雄馬に引き継がせた。監督として、飛雄馬と数々のライバルとの対決に立ち会うなど、重要な役柄だった。

 その半生は映画にもなった。少年時代から2000安打達成までを描いた「川上哲治物語

 背番号16」。日活製作で57年に公開された。戦後の部分は川上氏本人(当時36歳)が演じた。プロ野球のスター選手の自伝映画の先駆けだった。