阪神藤本勝巳内野手が、歌手の島倉千代子さんとの婚約を発表した。東京・新橋の第一ホテル新館で約30分の記者会見。ともに人気のある野球選手と芸能人だけに報道陣が約100人集まり、写真撮影と記者会見が別々に行われる盛況ぶりだった。

 黒の背広を着た藤本と、晴れ着姿の島倉さんは、寄り添うように腰を下ろした。知り合ったきっかけは6年前、テレビで島倉さんを見た藤本が「一ファン」としてかけた電話だった。プロポーズは島倉さんが目のけがをした7月で「片目が見えなくなるかも知れないと言われていたので…。うれしかった」。藤本は「千代子さんのすべてが気に入った。彼女の歌ではデビュー曲の『この世の花』が好き」と話した。

 藤本は56年に南部高から投手として入団し、プロで打者に転向。練習量の多さは有名で、59年の天覧試合では一時逆転となる本塁打を放った。60年には22本塁打、76打点でセ・リーグの2冠王を獲得。67年に30歳で引退した。島倉とは63年に結婚したが、68年に離婚した。【斎藤直樹】【2011年11月25日付、日刊スポーツ紙面コラム「メモリー球譜」より】