舞台美術家の第一人者で文化功労者の朝倉摂(あさくら・せつ、本名冨沢摂=とみざわ・せつ)さんが27日午後2時12分、くも膜下出血のため東京都稲城市の病院で死去した。91歳。東京都出身。自宅は東京都渋谷区元代々木町42の2。葬儀・告別式は31日午前10時から東京都港区南青山2の33の20、青山葬儀所で。喪主は長女で女優の富沢亜古(とみざわ・あこ)さん。

 彫刻家朝倉文夫の長女に生まれ、伊東深水に日本画を学んだ。1960年代から本格的に舞台美術に取り組み、商業演劇から前衛劇、オペラまで幅広く手掛けた。主な作品に蜷川幸雄演出「近松心中物語」など。

 「夜叉ケ池」(篠田正浩監督)など映画美術のほか、イラスト、装丁の仕事でも注目された。2006年文化功労者。著書に「朝倉摂のステージ・ワーク」など。