上方演芸の賞で最も古い歴史を持つ「第49回上方漫才大賞」が19日、大阪市内で開かれ、10年のM-1グランプリ王者、笑い飯が大賞に決まった。

 二重ボケの画期的なスタイルでしゃべくりを駆使するコンビは、M-1でも9年連続決勝に進み、最後の大会で悲願の優勝を果たした。

 万年V候補と呼ばれ、昨年は、上方漫才大賞でも、同世代でライバルの千鳥が大賞を受賞し、先を越されていた。

 「千鳥より先にとりたかったんで、この1年、気まずい空気でした」。西田幸治(39)は安堵(あんど)の笑みで喜びを語った。

 一方のワルキャラクターの哲夫(39)は「大賞をいただけて、やっと発言権を得ました。目標は、テレビに坂上忍ばっかり出さんようにすることです」と、突如の打倒・坂上忍宣言。

 哲夫は大賞受賞を「上方芸能のリーダーとして、自覚を持っていきたい」と言い、かねて地元の関西から全国区番組を発信したい思いが強いことから、打倒・坂上宣言へといたった。

 というのも、最近「関西のおばちゃんから『何でいっつも坂上忍ばっかり出てんの?』と言われた」そうで、地元ファンからのハッパに奮起。

 哲夫は「人の悪口ばっかり言う(坂上の)枠を奪って(自分が)笑いで疲れた人を癒やしたい。国民の皆さんの疲れがとれるような笑いを届けたい」と決意表明していた。

 ほかの受賞は、奨励賞がダイアン、新人賞は学天即。新人賞はこの日、会場で5組がネタを披露し、賞レース形式で決定した。